fc2ブログ
 昨日「トキワ荘マンガミュージアム」に出かけた話を書きましたが、
 今日は藤子不二雄Aさんの
 『トキワ荘青春日記プラスまんが道』という本の紹介です。

  

 漫画「まんが道」(その続編は「愛…しりそめし頃に…」)は、
 手塚治虫にあこがれ、漫画家になることを夢見た2人の少年の姿を描いた、
 藤子不二雄A(正式には〇の中にA)の代表作だ。
 この漫画自体も1970年から2013年にわたって連載誌など変えながらも、
 43年という長い歳月をかけて描き続けられたもの。
 主人公の2人の名前こそ変えられているが、多くの登場人物は実名のままで、
 漫画が「コミック」と呼ばれる以前の昭和30年から40年にかけての
 青春漫画となっている。

 おそらくその「まんが道」のもとになったと思われるのが、
 作者の藤子不二雄Aが残していた当時の日記。
 この『トキワ荘青春日記プラスまんが道』は、
 藤子不二雄Aこと安孫子素雄さんが富山から上京し、
 東京豊島区椎名町にあったトキワ荘というアパートで過ごした
 昭和29年から35年までの7年間の日記作品で、
 その折々の場面を描いた「まんが道」の絵が収められている。
 すでに2度書籍化されているが、「プラスまんが道」という形で
 2022年6月あらたに刊行された。

 この日記に綴られて時間こそ、
 日本の漫画の黎明期といえるもので、
 だからこそ今でも「トキワ荘」は多くの漫画ファンにとって
 聖地となっている。
 そして、そこに登場する仲間たちとの友情だけでなく、
 貧しくても何故か明るく生きていく姿に
 昭和30年代の日本人の力強さの典型を見ることもできる。
 その点でも
 貴重な日記文学の一冊といえるだろう。

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ