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 今年(2023年)は
 司馬遼太郎さんの生誕100年にあたります。
 司馬さんが生まれたのは1923年(大正12年)8月7日。
 亡くなったのが
 1996年(平成8年)2月12日で、まだ72歳でした。
 今から思えば、
 結構早い逝去です。
 生誕100年という節目でもあり、
 今年もう一度司馬さんの作品に触れてみたいと思います。

 そこで、今年最初の本の紹介に
 司馬遼太郎さんの『この国のかたち 一』を取り上げます。

  

 この作品は1986年から1987年にかけて
 総合誌「文藝春秋」の巻頭随筆として書かれた日本人論で
 その連載は亡くなる時まで続けられます。
 まずその一としてまとめられ、
 1990年に単行本化されています。
 私がこの作品、随筆ですが、を読むのはもう何度めかですが、
 連載時からすでに30年以上経ち、
 あらためて司馬さんの歴史への向かい方など
 参考になることがあるように感じました。

 昨年(2022年)大きな問題となった
 安倍元総理の国葬の際
 友人代表として弔辞を述べた菅前総理の言葉のなかに
 山県有朋の話を出てきます。
 伊藤博文にあてた歌を引用したものでした。
 その山県有朋のことを司馬さんはこの本のなかで
 こんなふうに書いています。(「12 高貴な”虚”」)
 「陰湿な部内策謀力をもち、自分を頂点とする権力構造をつくるについては
 名人だったが、自分自身を象徴化する人格のもちぬしではなかった。
 菅前総理が司馬さんのこの文章をご存じだったかわかりませんが、
 歴史を見る、あるいは読み解く視点は
 このように多様だということでしょう。

 人は何故歴史を知ろうとするのか。
 それはおそらく未来の失敗を回避したいがためだと思います。
 未来のために、歴史を知る。
 司馬遼太郎という作家は、そうあろうとした作家でした。

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