
どんな職業についただろうか。
映画評論家というのも似合いそうだが、
やはりなんといっても食べ物エッセイストではないだろうか。
女性版東海林さだおとしてやっていけそうだし、
平松洋子さんの先輩として名を成したことは十分想像できる。
その根拠は、
向田邦子さんのたくさんのエッセイから「食いしん坊エッセイ」を集めた
この本、『海苔と卵と朝めし』を読めば、わかる。

「何かの間違いで、テレビやラジオの脚本を書く仕事をしているが、本当は、板前になりたかった。」
そこから、彼女の妄想? が始まる。
料理を出す器にこだわり、仕込みは自分がする。
だから、献立にこだわる。
「ハシリの野菜。シュンの魚」
結局、自身で調理場に立つことはなかったが、
妹の和子さんに「ままや」という小料理屋さんを開かせることになる。
その開店始末を描いたのが、「「ままや」繁昌記」。
ここには新規のお店を開きたい人への心得みたいなものも載っていて、
向田さんの食へのこだわりがよくわかる。

向田さんの思い出の料理の数々のエッセイもいい。
「薩摩揚」「ゆでたまご」など、何度読んでも、いい。
誰にでも食べ物の思い出のひとつやふたつあるだろうが、
それを読ませる文章にできる人はそんなにいない。
向田邦子さんならではの、包丁さばきだ。

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