01/19/2023 無名(沢木 耕太郎) - NHKのインタビュー番組を見て

ノンフィクション作家沢木耕太郎さんのインタビュー番組が
放送されました。
沢木さんの最新作『天路の旅人』の刊行に合わせて
沢木さんの人生観などが語られていきます。
その後半、
沢木さんの父のことも語られます。
沢木さんには、その父の最後の闘病の姿を描いた作品があります。
『無名』です。
そこに、父のことがこう記されています。
確かに、父は何事も成さなかった。
世俗的な成功とは無縁だったし、中年を過ぎる頃まで
定職というものを持ったことすらなかった。
ただ本を読み、酒を呑むだけの一生だったと言えなくもない。
無名の人の無名の人生。
だが、その無名性の中にどれだけ確かなものがあったろう・・・。
そんな父の生き方に沢木さんは今強く魅かれている。
そして、私はまた沢木耕太郎さんの『無名』を読んでみたいと思ったのです。

調べると、その年のこの日も日曜日で
ちょうど今年と同じ曜日の周期でした。
沢木さんの父以上に、私の父は無名であり、
町の一市井人でしかありません。
しかし、どれほど無名であっても
沢木さんにとって父は唯一無二であるように
私にとっての父もかけがいのない人です。
沢木さんのように父と映画館にはいったこともなければ
凧を一緒にあげたこともない。
お酒は吞みましたが、本は読まなかった。
けれど、父はとてつもなく優しかった。

私にとっては
私と私の父とのことを思い出させてくれる
貴重な一冊だということが
今回の再読でよくわかりました。

単純なことの繰り返しで、その中で自分が充足している。
その繰り返しというのは何か僕は尊いもののように思えるんです。
私の父こそ何も成しえなかったかもしれませんが、
それでも私には正しい父としてあり続けています。

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