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 昨日、第168回芥川賞・直木賞の受賞作の発表がありました。
 芥川賞は、佐藤厚志さんの『荒地の家族』と井戸川射子さんの『この世の喜びよ』、
 直木賞は、小川哲さんの『地図と拳』と千早茜さんの『しろがねの葉』。
 芥川賞直木賞ともに2作の受賞で、驚きました。
 なんか大盤振る舞いみたいですが、
 新しい書き手に門戸を開くとしたら、それもアリかな。
 かつて、多くの芥川賞直木賞の単行本化の際に
 装幀を担当した人がいます。
 それが、菊地信義さん。
 今日は芥川賞直木賞受賞のお祝いに
 菊地信義さんの『装幀百花 菊地信義のデザイン』を紹介します。

  

 菊地さんは数多くの装幀を手掛けた装幀家で、
 2022年3月28日、78歳で亡くなっています。
 この本は、菊地さんが講談社文芸文庫の創刊以来、
 実に1300点余の文庫デザインの中から選ばれた作品が
 カラー版で紹介された「決定版作品集」です。
 菊地さんの装幀した本を見かけないことがないほど、
 菊地さんは文芸文庫に限らず、
 数多くの装幀を手掛けてきました。
 その数、なんと1万5千点以上といいますから
 すごいものです。

 菊地さんといえば、「斜体」文字がやはり印象的。
 なので、表紙の装幀で、これは菊地さんの作品だとすぐにわかったものです。
 そのほかにも、「変形」であったり、「図像」であったり、
 「字体」に変化をつけたり、「構成」では余白を生かしています。
 「視覚的な効果で、読んでみようとかと思う心をゆする。」は、
 菊地さんのエッセイからの一文。
 菊地さんの装幀に心を揺すられて、読んだ本もたくさんあります。

 「やっぱり本というのは、どこか品があって、格があって落ち着いて」と
 考えていた人だから、
 菊地さんの装幀には淀みがないのです。

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