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プレゼント 書評こぼれ話

  星新一さん文、和田誠さん絵の『はなとひみつ』という絵本を
  少し前に紹介しました。
  そういえば、星新一さんにシリーズ本があったことを思い出し、
  確か和田誠さんが絵を担当していたことにも気づきました。
  星さんの作品が読めて
  和田さんの絵が楽しめる。
  こんな一石二鳥の楽しみがあったことがうれしくなって、
  シリーズを順に読んでみようと考えています。
  今日はその最初。
  『星新一ショートショートセレクション① ねらわれた星』。
  和田さんは星さんの子供向け「ショートショート」の挿絵を随分描いていて、
  星さんの作品の子供向けはほぼ和田さんが独占していたようで(大人向けは真鍋博さん)、
  それはお話のオチを絵にしなかったからで、
  読者の興味をそそる挿絵を描いたから、だったということが、
  和田さんが亡くなったあと開催された展覧会の図録に載っています。
  これから、ゆっくり楽しんでいきます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  早く大人になりたいな                   

 『星新一ショートショートセレクション①』(理論社)。
 表題作である「ねらわれた星」をはじめとして、19篇の「ショートショート」が収められた、児童書。
 装幀・挿絵(それぞれの作品にひとつ挿絵がついています)は、和田誠さん。
 「ショートショート」というのは短編小説よりももっと短い物語で、この児童書の場合、活字も行間も大きいせいもあってだいたい10ページほど、しかも和田さんの挿絵が1ページ分あるから、あっという間に読めてしまう。
 それでいて、オチが楽しめるのだから、なんとも楽しい読書体験といえる。
 これなら、本嫌いの子供でも難なく読めてしまう。

 この巻には、表題作のほか、星さんの代表作ともいえる「ボッコちゃん」も収められている。
 この「ボッコちゃん」はバーのカウンターで男性のお客を接待する美人ロボットで、子供が読んでわかるだろうかと思わないでもないが、案外子供はこういう少しエッチ系のたぐいの話が好きなところがあるから、許せるのだろう。
 星さんの作品にはやはり大人の読者を意識した内容も多い。
 表題作の「ねらわれた星」にも、ちょっぴりそんなスパイスがされている。
 きっと子供たちはベッドでクスクス笑いながら、読んでいるに違いない。
 あるいは、早く大人になりたいなと思っているかもしれない。
  
(2023/03/01 投稿)

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