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 私が参加している読書会のメンバーで
 ミステリ小説の面白さがわからないと悩む女性がいる。
 わからないでもない。
 私もこの読書会に参加するまでミステリ小説をほとんど読まなかったから。
 なので、まずは読んでみてと、
 アガサ・クリスティーの作品などを薦めるのだが、
 むしろ松本清張の初期のミステリ作品8編を収めた
 この『なぜ「星図」が開いていたか』を薦めて方がよかった。
 何故なら、戦後まもないにしても日本が舞台であること、
 それに短編だから気軽に読めること、
 そして何より面白い。

  

 この短編集は新潮文庫のオリジナルだが、
 すでに多くの作品を文庫化してきた新潮文庫にあって
 2022年の秋に出たばかりというのもうれしいではないか。
 収録されているのは、
 表題作である「なぜ「星図」が開いていたか」(いいタイトルだ)を始め、
 清張の初期の代表作のひとつ「張込み」のほか
 「顔」「殺意」「反射」「市長死す」「声」「共犯者」である。
 表題作以外は実にそっけないタイトルだが、
 これは読者にあまり予見を与えたくない清張の工夫かもしれない。

 「市長死す」の突然市長が予定を変更してまで殺される場所に向かうきっかけが、
 こののち名作『砂の器』に使われていたり、
 清張ファンにはなんともうれしい一冊ではないだろうか。
 これなら、読書会のメンバーにもミステリ小説の面白さが
 わかってもらえるかもしれない。

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