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 私が東京に出てきてから、
 もう50年経つ。
 出てきた当初は地元大阪の学生たちばかり住む学生寮だったから
 そんなに違和感がなかったが、
 もちろんあの頃の東京と今の東京は随分違う。
 50年前の東京で自身がどんな気分で暮らしていたか
 あんまり覚えていないが、
 益田ミリさんの『東京あたふた族』というエッセイ集に収められている
 「上京物語」というエッセイのいくつかに
 なんだかふと自身が東京に出てきた頃の気分が浮かび上がるようであった。

  

 益田ミリさんは1969年の大阪生まれ。
 26歳で上京し、すでに人生の半分近くを東京で過ごしていることになる。
 「上京物語」というエッセイには
 まだ仕事さえ見つかっていない彼女が
 それでもめげることなく、実に豪快に東京での日々を過ごす様子が
 描かれている。
 益田ミリさんのコミックエッセイの原点がそこにあるように感じた。
 また別のエッセイ(「のび太と遊んだ空き地」)には
 こんな記述もある。
 「東京では標準語で生活しているが、わたしの中にはいつも関西弁のリズムが刻まれている。
 (略)とはいえ、わたしは東京も好きだった。
 なんだか、わかる。その気持ち。

 このエッセイ集にはそのほかにも
 朝日新聞に今でも連載中の「オトナになった女子たちへ」というエッセイの
 2019年から2022年5月にかけてのものも収められている。
 女子ではないが、
 私は益田ミリさんの作品が好きだ。

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