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 今日5月4日は
 自然に親しみ、その恩恵に感謝し、
 豊かな心を育むことを趣旨とした祝日、みどりの日

    体内の水の流れやみどりの日       和田 悟朗

 緑も鮮やかな公園のベンチで詩集を開くのも素敵かも。
 今日は昨日のつづき、のような一冊を紹介します。
 井戸川射子(いどがわいこ)さんの『する、されるユートピア』と詩集。
 井戸川さんは昨日紹介した『この世の喜びよ』で
 第168回芥川賞を受賞しましたが、
 それに先立つ2019年にこの詩集で
 第24回中原中也賞を受賞しています。

  

 芥川賞受賞作から先に読んだので
 この詩集を読むと、
 なるほど井戸川さんという作家の根っこはこういう世界なんだなと
 感じることがありました。
 それは芥川賞受賞時の「受賞のことば」の冒頭にある、
 「言葉を、すごく上手に使いたい」によく表れているように感じます。
 この詩集の中の詩の多くは
 まるでこれからフィクションとして生まれ出るような
 予感があります。
 その点では詩でありながら、幼い小説のように読めます。

 「受賞のことば」は、もしかしたこの詩集の先にあるもので、
 だからこそ井戸川さんはこう書いているのかもしれません。
 「あなたの前に、言葉として登場できて嬉しい。」と。

 この詩集と、芥川賞受賞作。
 そして、それらをつなぐ、作者自身の言葉のあれこれ。
 それらを砂の城のようにこしらえても
 波がさらっていくようで、こわい。
 しかし、井戸川さんの言葉がずっと強靭であろうとしています。

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