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 NHK大河ドラマの第62作めとなる「どうする家康」は、
 5月にはいって徳川家康の人生における最大の危機ともいえる、
 武田信玄との三方原の合戦が描かれている前半の山場。
 徳川家康ほどの有名人であっても、
 やはりその人生の節目節目に自身の行く末を決める場面があるものだ。
 そんな10の場面を軸にして
 家康の生涯を描いたのが本多隆成さんの『徳川家康の決断』。
 副題の方が、この新書の内容をよく表していて、
 「桶狭間から関ケ原、大坂の陣までの10の選択」とある。

  

 すでに何冊も家康について書いてこられた本多さんが挙げている
 「10の選択」とは、
 桶狭間の合戦、三河一向一揆、三方原の合戦、嫡男信康の処断、本能寺の変、
 小牧・長久手の合戦、石川数正の出奔、小田原攻めと関東転封、
 関ケ原の合戦、大坂の陣、となる。
 こうして並べていくと、
 巷間よくいわれる「鳴かぬなら鳴くまで待とうほととぎす」という句そのままの
 忍従の人生であったように思える。

 家康が自ら大きく動き出すのは、宿敵豊臣秀吉の死後とみていい。
 秀吉亡きあとの家康の振る舞いは強引とも見えるが、
 それは人生の終末を悟ったゆえの行いとみれば、
 実に人生をまっとうした武将であったともいえる。

 この新書、入門書というにしては
 最近の研究成果も解説されていて、
 すでに十分語り尽くされているかと思っていた家康でも
 まだまだ解明されることが残っているということに
 感慨を覚えた。

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