fc2ブログ
 向田邦子さんが生まれたのは、昭和4年(1929年)4月で、
 台湾での飛行機事故で亡くなったのが昭和56年(1981年)8月だから、
 まさに昭和の人であったといえる。
 それに向田さんが活躍したテレビもまた
 昭和になって生まれた産物でもあった。

  

 だからだろうか、
 向田さんのたくさんのエッセイには昭和の匂いがする。
 この「食いしん坊エッセイ傑作選」と付けられた
 『メロンと寸劇』に収められたエッセイのどれひとつをとっても
 あの昭和という時代の、今では不思議な明るさを感じることができる。
 例えば、最近値上がりがニュースとなっている卵だが、
 この本に収録されている「卵とわたし」というエッセイを読むと、
 なんだかホッとさせられる。
 そんな中の一節。
 「卵はそのときどきの暮しの、小さな喜怒哀楽の隣りに、
 いつもひっそりと脇役をつとめていたような気がする。

 この本には代表作ともいえる「父の詫び状」や「眠る盃」など
 何度読んでも、うまいと感心するエッセイが収められている。
 また向田さんの代表作ともいえる「寺内貫太郎」シリーズの二作目から
 第3回めのシナリオも入っていて、
 そういう組み合わせがうれしい一冊になっている。

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ