05/12/2023 メロンと寸劇 食いしん坊エッセイ傑作選(向田 邦子) - 昭和のおいしさ、届きました

台湾での飛行機事故で亡くなったのが昭和56年(1981年)8月だから、
まさに昭和の人であったといえる。
それに向田さんが活躍したテレビもまた
昭和になって生まれた産物でもあった。

向田さんのたくさんのエッセイには昭和の匂いがする。
この「食いしん坊エッセイ傑作選」と付けられた
『メロンと寸劇』に収められたエッセイのどれひとつをとっても
あの昭和という時代の、今では不思議な明るさを感じることができる。
例えば、最近値上がりがニュースとなっている卵だが、
この本に収録されている「卵とわたし」というエッセイを読むと、
なんだかホッとさせられる。
そんな中の一節。
「卵はそのときどきの暮しの、小さな喜怒哀楽の隣りに、
いつもひっそりと脇役をつとめていたような気がする。」

何度読んでも、うまいと感心するエッセイが収められている。
また向田さんの代表作ともいえる「寺内貫太郎」シリーズの二作目から
第3回めのシナリオも入っていて、
そういう組み合わせがうれしい一冊になっている。

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