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 「現代詩の長女」とも呼ばれる詩人茨木のり子さんには
 すでに『茨木のり子集 言の葉』という全3冊にまとめられたエッセイ集がある。
 それらの中からと、そこに収められいない、言葉についてのエッセイをまとめたのが
 この『言の葉さやげ』である。

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 書名にある「さやげ」は「広辞苑」では「さやぐ」という動詞として出ている。
 意味は「ざわざわと音がする。ざわめく」で、
 この本の「あとがき」でこの言葉を『古事記』のなかの唄、
 「木の葉さやぎぬ 風吹かむとす」から採ったと記されている。
 ただ、茨木さんは長い間「木の葉」を「言の葉」だと思い込んでいたようだ。
 「さやげ」は、その「さやぐ」の命令形ではなく、
 「さやげよ」という願望形のつもりと記していて、
 茨木さんの言葉に対しての祈りのようなものを感じる。

 この本では2つの章に分かれていて、前半の章では「言葉」全般について、
 後半の章では「詩」と谷川俊太郎井伏鱒二金子光晴といった「詩人」についての
 エッセイが収められている。
 前半の章の中に「美しい言葉とは」と題されたエッセイがあって、
 これはどうしても書き留めておきたい、こんな文章が綴られている。
 「政治家の言う「小骨一本抜かない」「衿を正す」などは、なんらの実体も感じさせない点で下の下である。
 言葉は浮いてはならないのだ。
 この文章が書かれたのは1979年。
 だとしたら、政治家というのはいつの時代であっても
 浮いた言葉を使う人たちだと、ただ吐息がでて、「さやぐ」こともない。

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