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  今日は
  司馬遼太郎さんの奥さん福田みどりさんの
  『司馬さんは夢の中 2』です。
  書評にも書きましたが、
  できたらこの本は
  中公文庫で読むことをおすすめします。
  なんといっても
  関川夏央さんの「解説」がいい。
  まるで、司馬さんとみどりさんの
  恋愛物語を読んでいる気分に
  させてくれます。
  でも、不思議ですよね。
  私はてっきりこの本を読んでいたと
  思っていたのです。
  きっと本屋さんで昔見かけたのだと
  思います。
  それで、読まないとと思ったはず。
  ところが、ずっとそのままにうっちゃってて
  読まず仕舞いだったのでしょうね。
  反省しきりの一冊です。

  じゃあ、読もう。

司馬さんは夢の中〈2〉 (中公文庫)司馬さんは夢の中〈2〉 (中公文庫)
(2008/10)
福田 みどり

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sai.wingpen  夫婦トハ何ダロウ                矢印 bk1書評ページへ

 文庫本で読む楽しみのひとつは、そしてはそれは結構大きなひとつですが、「解説」にあります。
 作家司馬遼太郎夫人である福田みどりさんが綴った亡き夫との思い出、それは単に茫々たる懐旧の思い出だけでなく現在の夫人の心境録でもあるのですが、エッセイの第二弾にあたる本書の文庫本「解説」は、司馬遼太郎関連の著作も多数ものにしている関川夏央氏が担当しています。
 「あの、元気だった大阪」と題された「解説」は、前に読んでもよし、あとで読むのもよしの好篇です。
 これから、本書を読もうと思われている人には、この文庫本をオススメします。

 関川氏はまず司馬遼太郎が亡くなった1996年2月以降の、みどり夫人の様子を描いています。
 司馬の死後4年もの歳月を鬱々と生き、アルコール依存症という診断まで至った夫人。そのことを知ることは、本書を読む上で覆い隠してはいけない真実だと思います。
 それほどまでに打ちのめされた夫人の、司馬への愛情の深さが全編に散りばめられているといっていいでしょう。そこからはいあがって、綴りつづける夫人は、単に司馬の功績を守る者としてではなく、愛する者と伴に生きた夫人ならではの回想といっていいでしょう。

 「もし、大阪中の人が、きみを攻めてきても僕はきみを守ってあげる」と司馬がいった挿話が本作に描かれていますが、関川氏もこれに注目しています。
 「日本中」ではなく「大阪中」。
 それは司馬遼太郎という作家の、ある本質を衝いた言葉として記憶されていいと思います。
 司馬にはそういった言語感覚がありました。
 それは詩的ともいえる、「大阪中」ではないでしょうか。
 よくぞ、みどり夫人が書いてくれたものです。
 こんな言葉、夫人以外絶対耳にしないものだからです。

 みどり夫人は「夫婦。イッタイ、夫婦、トイウノハ何ナノダロウ」と書いたあと、自身と司馬との夫婦を描くのではなく、母と父の夫婦の姿を描きます。
 それでいて、それは司馬を離れることはありません。
 みどり夫人の亡き夫を綴るエッセイの魅力は、周辺を歩きながら、その中心には必ず司馬遼太郎、いえ司馬の本名である福田定一、がいることです。

 なんともうらやましい関係です。
  
(2012/02/28 投稿)

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