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プレゼント 書評こぼれ話

  松谷みよ子さんの
  『ちいさいモモちゃん』を紹介してから
  かなり経ちます。

   読んでいない方はこちらからどうぞ。

  今日と明日は
  その続きのお話を紹介します。
  今日は『モモちゃんとアカネちゃん』。
  今回の講談社文庫
  表紙と口絵に酒井駒子さんの絵が
  使われています。
  酒井駒子さんのファンの方もぜひ。
  それにしても
  この物語は児童文学の傑作ですね。
  この物語を読まないのは
  ソン。
  今子育て中の若い人たちには
  ぜひ読んでもらいたい三冊です。

  じゃあ、読もう。

モモちゃんとアカネちゃん (講談社文庫)モモちゃんとアカネちゃん (講談社文庫)
(2011/12/15)
松谷 みよ子

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sai.wingpen  大人への宿題                   矢印 hontoレビューページへ

 松谷みよ子さんの名作「モモちゃん」シリーズ全六話の、三作目『モモちゃんとアカネちゃん』と四作目『ちいさいアカネちゃん』の二つのお話を収録したこの文庫本は人気画家酒井駒子さんの表紙絵と口絵、それに2011年に書かれた松谷みよ子さんの「文庫版あとがき」がついていて、きっと新しい「モモちゃん」ファン、「アカネちゃん」ファンを生んだことだと思います。
 私もその一人です。

 「モモちゃん」シリーズは少し怖い児童文学です。
 怖いというのは、オバケとか怪獣がでてくるのではなく、とてもリアルな日常が描かれている怖さです。
 まず、その一つがパパとママの「離婚」の問題です。
 小さい子供にとって、オバケなんかよりパパとママが喧嘩をしたり、離婚したりってすごく深刻なことだと思います。小さいからわからないのではなく、小さいからそういった両親の心の襞の揺れがわかるといってもいいのではないでしょうか。
 ましてや、ママに「死に神」が近づいてきたり、パパの靴だけが家に帰ってきたり、どことなく不安な影が波紋のように広がっています。
 もう一つは、これは次の第三巻めに描かれていますが、「死」の問題。あるいは「戦争」であったり、「核」であったり、モモちゃんもアカネちゃんもけっして明るいだけの世界の子どもたちではありません。

 その一方で黒ネコのプーとおしゃべりできたり、この巻ではアカネちゃんの大の親友になる靴下のタッタちゃんとタアタちゃんが大活躍したり、ファンタジーの要素もたくさんはいっています。
 そういう要素があるから、「離婚」とか「死に神」とかとっても怖いこともすんなり子どもたちの感性に届くのだと思います。
 「文庫版あとがき」の中で、パパとママの「離婚」の話を書くきっかけは、松谷みよ子さんのお子さんのひと言、「どうしてうちにはパパがいないの? そこんとこを書いて」にあったと書かれています。
 松谷さんはその約束をきちんと果たしました。一つの植木鉢に植えられた二本の枯れかかった木を「離婚」間際の二人になぞらえました。

 この素晴らしい児童文学を読んで、お子さんに「離婚って何?」と訊ねられた時、どこまで逃げずに答えられるでしょうか。
 それは、私たち大人への宿題です。
  
(2012/05/24 投稿)

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