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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する桜木紫乃さんは
  初めて読む作家です。
  知人から面白いですよと
  紹介されました。
  で、読んだのが
  『ワン・モア』。
  カタカナでのタイトルで少し損を
  しているかもしれません。
  うまくできすぎた物語ともいえます。
  でも、桜木紫乃さんは
  いま人気が高いですね。
  たくさんの人が
  少しでも幸せになれる
  そんな物語を求めているのかもしれません。
  読み終わったら、
  きっと幸せになれたら
  いいですね。
  だから、読書はいいのです。
  きっと。

  じゃあ、読もう。

ワン・モアワン・モア
(2011/11/28)
桜木 紫乃

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sai.wingpen  これは再生の物語                   

 あえて不幸な物語を読む必要はない。
 できれば、最高にハッピーな物語を読みたい。
 もちろん、物語はさまざまな要素を持っているから、幸福だけがすべてではない。生きることの過酷さや平凡さ、それだって読むに値する。人生そのものが多色の糸と編みあがっているのだから、幸福だけで満足することもない。
 けれど、できれば「いい物語だったな」で終わりたいではないか。そんな夢みたいな物語があってもいい。

 桜木紫乃の『ワン・モア』はできすぎたお話かもしれない。
 生死にかかわる重い病を克服して笑顔を浮かべる主人公たちの姿。ハッピーエンド。
 でも、本当に最後に描写された物語は、いくつかの章にわかれた物語の本当の続きなのであろうか。彼ら彼女たち、登場人物たちの夢ではないのか。そんな気さえしている。

 同じ高校でともに将来は医療の道をめざそうと誓った男女三人、鈴音と美和、それと八木。
 ともに優等生だった鈴音と美和だが、性格はまったく違う。だからこそ、何でも相談できる二人。
 鈴音は実家の病院を継ぎ、美和は医療事件で冷たい視線にさらされる。彼女たちに追いつけなかった八木は放射線技師になっている。
 そんな三人の関係に変化が起こったのは、鈴音の発病。しかも余命というレベルの重い病。
 離婚したかつての夫と残された日々を生きたいと願う鈴音。鈴音の後継者として彼女の病院にはいった美和は鈴音の命を救おうとする。若い頃から鈴音に想いを寄せる八木もまた。
 三人の周辺の人たちの愛する心をもまた描きながら、愛することの奇跡を桜木は願ったのだろうか。

 人を愛することはなんと力のいることだろうか。もしかすると、生きることに匹敵するともいえる。
 だから、生きることが奇跡のような行為だとすれば、愛することもまた奇跡であってもおかしくはない。
 「ワン・モア」。
 もう一度、命を生き直すように彼女たちの日々は輝きだすが、それが夢ではないと誰がいえよう。
 それでも、人は、不幸な物語よりもハッピーエンドを願う。そのことを誰が非難できようか。
  
(2012/11/08 投稿)

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