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  今日から11月

   菊の香よ露のひかりよ文化の日  久保田万太郎

  文化の日も近いとあって、
  ちょっと教養高く、
  文化史なるものを今日は紹介します。
  といっても、大人向け、かな。
  金益見(きむ・いっきょん)さんの
  『性愛空間の文化史』。
  副題が「「連れ込み宿」から「ラブホ」まで」。
  つまり、ラブホテルと現在では呼ばれている
  宿泊施設を、
  休憩施設でもありますが、
  徹底研究したもの。
  文化の香り高い!?
  興味深く、読むことができました。
  こういう研究を女性がするというところに
  金益見さんのエラさがあります。
  面白くて
  タメになる一冊です。

  じゃあ、読もう。

性愛空間の文化史性愛空間の文化史
(2012/09/30)
金 益見

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sai.wingpen  商談にも最適                   

 この本、副題にあるように「連れ込み宿」と呼ばれていた時代から「ラブホ」と明るく呼ばれる現在までのいわゆる何をするところの文化史、を読んで、昭和30年代や40年代の少しさびれた旅館の看板に「ご商談にも最適」とあったのは、男と女の性愛は駆け引きという点ではまさに「ご商談」だったことに気付かされた。それに金銭のやりとりが本当に発生する「ご商談」もあったにちがいない。

 前作『ラブホテル進化論』は「現役女子大学院生」による大胆な本と話題になったが、あれから四年経って、著者も今ではりっぱな「性愛空間」研究者だ。
 「性愛空間」と書くとなんだか淫靡な響きがあるが、これもりっぱな文化だし、それも私たちの暮らしに案外近い文化だといえる。
 戦後間もない頃、「連れ込み宿」が大いに利用された背景には狭い家の中での性行為が困難だったという住文化の深刻な事情もある。
 著者の住居の関係で、どうしても資料・図版(昭和30年当時の新聞広告)が関西圏寄りになっているのが残念といえば残念だ。

 若者向けの情報誌に「ラブホ特集」まで掲載されるようになった現在の若い人には笑われそうだが、ひと昔前はこの種の宿泊施設には必ず温泉マークがついていたものだ。
 くらげを逆さにしたように見えるところから「さかさくらげ」と呼ばれた
 。地図記号としてこのマークを使用していたが、これではよくないと地図記号そのものが変更になった。地図記号まで変えてしまうほど、庶民の力は強いといえる。

 「ラブホ」と呼ばれる「ラブホテル」だが、これはいつごろからそう呼ばれたのか。
 著者は、1969年に東大阪に開業した「ホテル・ラブ」の屋上に設置されていた回転広告塔があって、ホテル名が回っているところから、後ろから前に呼ばれるようになった定説(!)を紹介しているが、これなどは関西人特有のノリのような気がする。むしろ、この語感は関東の感じがするのだが。

 巻末にある、幕末から始まる「ラブホテル年表」は著者渾身の労作である。
 年表をみながら、常に進化し続ける空間のありようにただただ感心する。
  
(2012/11/01 投稿)

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