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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日『いじめられている君へ いじめている君へ いじめを見ている君へ』という
  本を紹介しましたが、
  いじめられている君にも
  いじめている君にも
  いじめを見ている君にも
  読んでもらいたい一冊が
  今日紹介する、
  重松清さんの『空より高く』です。
  新聞小説として
  2005年に読売新聞夕刊に連載されていたようですが
  ずいぶん刊行まで時間がかかりましたね。
  でも、このタイミングでよかったのかな。
  「いじめ」の問題は根深いけれど
  そういうことに大切な時間を
  使っているのって
  もったいないですよ。
  もっと大切なことが
  生きる時間にはあります。
  もし、いま、いじめている人がいるなら
  そんな姿を未来のあなたに誇れるかどうかを
  考えてみて下さい。

  じゃあ、読もう。

空より高く空より高く
(2012/09/24)
重松 清

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sai.wingpen  レッツ・ビギン!                   

 前略。17歳の私さん。
 あれから40年以上の時が経って、こうして17歳の君に手紙を書いています。
 それなのに、あの頃自分が何を思っていたのか全然思い出せません。
 17歳の私は40年後の未来の自分自身なんて想像もつかなかったのではないでしょうか。
 そういえば、好きだった女の子が高校の卒業を待たずに引っ越してしまったことにしょげていましたね。青春ドラマの主人公みたいにその子を追いかけられなかったことを悔やんでいましたね。その子にあてた詩が学習雑誌に掲載されなかったことに肩をおとしていましたね。
 でも、教えてあげると、今の君から数か月したら、それ、掲載されましたよ。残念ながら、彼女は見ることはなかったですが。

 17歳の君に手紙を書いてみようと思ったのは、重松清さん(君は知らないでしょうが、こちらの未来ではとっても人気のある作家です)の『空より高く』という小説を読んだからです。
 ここには、君と同じ高校三年の男の子三人と女の子一人が登場します。彼らが通う高校は彼らの学年を最後に廃校になってしまいます。
 卒業まで残り少なくなってきた二学期のはじまり、一人の先生が赴任してきます。ジン先生。
 この先生はこの高校の一期生でもあります。先生の口癖が「レッツ・ビギン!」。この言葉なら17歳の君でもわかるでしょ。当時人気のあったTV番組で使われていた言葉です。
 高校三年といえば、漠然とした将来の不安に直面する時期。四人の高校生たちもそう。そういえば、17歳の君だってそうだった。
 もちろん、時代は違う。けれど、17歳の若者たちの心ってそんなに変わっていないのではないかな。

 始めることで変われることがある。
 この物語の高校生たちも、ディアボロという芸を通じて変わっていく。
 17歳の君は知らないね。ディアボロというのは空中ゴマでお椀をふたつ重ねたようなもの。それを空に放り投げてさまざまな芸をする。
 変わっていく高校生が最後に未来の自分にあてて手紙を出す。「前略、未来さま」って。「未来のオレは、ワカゾーだった頃の自分を、どんなふうに思いだすんだろうな」。
 だから、未来のオレから17歳の私に手紙を出してみた。
 「ちっとも覚えていないゾー」って。
 でも、17歳の私がいたから、今の、未来のオレがいるんだ。
 ありがとう。
 だから、いい物語も読めたんだ。
  
(2012/11/14 投稿)

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