今回ちょっと用事があって、伊勢に来ました。(4.16)
三重県伊勢市です。
もちろん、あの「お伊勢まいり」の伊勢です。
名古屋から近鉄特急で1時間20分。
自宅のある埼玉からはやっぱり遠いですね。
でも、これは私が埼玉にいるからで、昔の京都に住んでいる人なんかは
そんな距離感はもたなかったんでしょうね。 平安時代の歌人・西行さんはこの伊勢に二度ばかり住んでいます。
何事のおはしますかはしらねどもかたじけなさに涙こほるる
なんていう歌も詠んでいます。
その「何事のおはします」内宮へは宇治山田の駅からバスで20分ぐらい。
着いてびっくりしたのは、平日だというのに観光客が多いこと。
皆さん、「お伊勢まいり」をするんですよね。
私は小学校の修学旅行以来です。
だから実に40年ぶりの「お伊勢」さん。 ちょっとここで学習すると、
伊勢神宮は日本人の心のふるさとといわれています。
(あ、これはもらったパンフレットをみて書いています)
正式名称は「神宮」。宇治の五十鈴の川上にある皇大神宮(内宮)
と外宮(げぐう)と呼ばれる豊受大神宮とかが有名です。
おまつりするのは「天照大神」(あまてらすおおみかみ)ですから、
すごいですね。
上の写真は内宮の第一鳥居。
この鳥居から奥はずっと深いですよ。
気候がいいので汗ばみます。生まれたての緑がきれい。
下の写真は、社殿の中心「御正宮」。
ここでは、二拝二拍手一拝。
それにしても、たくさんのおまいりの人たちはどこから来るんでしょうね。
日本人って宗教心がないとかいうけど、こういうあたりは律儀です。 先を急ぎましょう。まあ、急ぐ旅でもないのですが。
内宮をでて、「おはらい町」を散策します。
ここは門前町ですから、みやげもの屋さんとか並んでいます。
平日ですが、人は多い。
伊勢市の駅前なんかよりずっと多い。
その中ほど「赤福」のお店があります。
創業が1707年ですから、さすがの私も生まれていません。 いろいろあったようですが、やっぱり「赤福」はおいしい。
だから、ここで赤福を食べるのが楽しみでもありました。
下の写真、280円の名物「赤福」。
やっぱり美味しい。あんこの押さえ気味の甘さもちょうど。 それで、「赤福」のお店に前にある「おかげ横丁」にはいります。
ここは古い町並みですが、平成5年にできた新しい町。
地方の都市で最近「屋台村」なるものをよくみかけますが、
ここはそんな比ではありません。
もとの町並み「おはらい町」としっくり合っています。
これってとても大事なことだと思います。
もともとの町並みが壊れずに残っていたから、それに合わせることが
できたんでしょうね。
今はどの地方に行っても古い町並みが消えてしまって、
「屋台村」が浮いてしまっている。
なくなったものを元に戻すのは大変ですから、今後どのような町並みを
作っていくのか、それも地方の活性化の課題だと思います。 この「おかげ横丁」の一角に、伊勢を愛した俳人
山口誓子(せいし)の記念館があります。 しかも、無料。
おみやげばかりではなく、ここにはぜひ足を伸ばして下さい。
入り口に誓子のこんな言葉が。
俳句を志す人々へ
俳句は、感動があって、はじめて作られるのです。
感動が句作のきっかけです。
そんな誓子の句を紹介しておきます。
この家に福あり燕巣をつくる 誓子
この句の家は「赤福」のことらしい。
そして、この句のとおり、「赤福」のまわりでは、
生まれたばかりなのでしょう、
輝くような子燕たちが空を舞っていました。
今年初めての燕です。
そこで、私も一句。
子燕や初めて越ゆる五十鈴川