FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  二日間にわたって
  柳田邦男さんが訳された
  『ヤクーバとライオン』(勇気と信頼)を
  紹介しましたが、
  今日は柳田邦男さんの奥さんでもある
  いせひでこさんの
  『チェロの木』を
  紹介します。
  なんだか今週は夫婦の話が
  多くなりましたが
  柳田邦男さんといせひでこさんの絵本は
  偶然そうなりました。
  この絵本は
  そんなことを度外視して
  とっても素晴らしい絵本です。
  いせひでこさんは
  今までにも素晴らしい作品を
  描いてきましたが、
  この作品の素晴らしさは
  一等です。
  この絵本があれば、
  しばらく生きている価値があります。
  こういう作品に出会える喜び。
  いいなぁ。
  本を読むって。

  じゃあ、読もう。
  

チェロの木チェロの木
(2013/03/06)
いせ ひでこ

商品詳細を見る

sai.wingpen  赤を抱きしめて                   

 こんなに素敵な絵本を読ませて頂いていいのでしょうか。
 胸の奥、ふるえています。
 誰かにこの感動を伝えたい。
 いえ、その前にもう一度、この絵本を抱きしめていいですか。

 初めから、表紙を開けた扉絵から、もう心臓がどきんどきんを高鳴りました。
 チェロのケースの中で眠る赤ん坊。
 ケースの内側に張られた赤い裏地。
 赤。血のような赤。いのちのような赤。
 この子は生きています。
 絵本作家いせひでこさんの作品に、これほど強く赤が表現されることはなかったのではないかしらん。
 この作品では何箇所か、赤の色が使われ、目をひきます。
 血の色。いのちの色。情熱の色。決心の色。

 この扉絵にいせさんはこんな文を綴ります。
 「ヤマバトの子どもが鳴いてるね。ぼそぼそとまだたよりない声だけど、鳥はああやって、さえずる練習をするんだよ。ぐぜりっていうんだ」
 ヤマバトだけじゃない。人間だって、赤ちゃんの時に、生きる練習をします。
 この絵本の少年のように、お父さんやお母さん、とっても上手なチェロリスト、あるいは緑、地球の色、に教えられて、生きる練習をする。
 春の音、夏の光、秋の影、冬の夜。
 色彩。音楽。そして、肌の温み。

 少年のために、お父さんはゆっくりと時間をかけて、チェロを作ってくれます。
 チェロができる時間は、お父さんと過ごす時間。愛が流れる、ゆったりとした時間です。

 全体には青い色が基調にあります。それは、いせさんの好きな、風の色。
 だから、赤い色が胸の奥をうちます。
 この作品にかける、いせさんの思いが、その色に込められているような気がします。

 だから、もう一度。
 抱きしめて、赤を。
  
(2013/05/26 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/1718-9775f108