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プレゼント 書評こぼれ話

  今回の小宮一慶さんの『どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座
  (こう書くと長いタイトルですね)
  には、色々と教えられることが多かったですね。
  書評の中にも書きましたが、「本を読まない経営者」なんていうのは
  いるのでしょうかね。
  読んでいる方、気をつけて下さいね。
  これって結構皮肉に書いています。
  本も読まずに経営者ぶっている人なんてたくさんいます。
  趣味の読書の話ではありません。
  戦うための道具として、読書は重要だといっているのです。
  だから、「オレの趣味はゴルフで」とか「お酒が一番」なんていう人は
  経営をすべきではない。
  少なくとも、従業員を幸せにできないのではないでしょうか。
  それと、この本の中にこんな一節があります。
  「銀行に目を向ける暇があったら、お客さまと向き合うことです」
  その意味することすらわからない銀行もあるでしょう。
  季節まじかの小さな果実をとるのか、
  最盛期の大きな果実をとるのか、
  バカな銀行も、バカな親会社も、バカな株主も、
  そのあたりがわからない。
  それとこの本を「ビジネス本」として読むのではなく、
  「生き方」本として読むのもいいと思いますよ。
  この本の裏表紙にこうありました。

    正しい経営の神髄とは、よりよい人生の神髄と同じである  

どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座 (ディスカヴァー携書)どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
(2009/03/15)
小宮 一慶

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sai.wingpen  経済は人を幸せにするための道具            矢印 bk1書評ページへ

 「社長」というのは基本的に孤独です。
 現代のようにたいへん厳しい時代に、多くの「外的要因」「内的要因」に曝されながら、最終的にはたった一人で決断をしなければなりません。さらにいえば、社内の人がすべて味方であるとはかぎりません。
 そんなことはないといわれるかもしれませんが、そういわれる人はぜひ本書の「「和気あいあい」よりも「切磋琢磨」」の章(120頁)を読んでもらいたい。
 「社長」は長期的な視点に立って厳しく叱ることもしないといけない。どうでもいいような些細なことでも実践していかなければならない。その時になお、信念をもってことにあたれるかどうかだと思います。
 本書には経営コンサルタントの小宮一慶氏による経営を行う上での多くのヒントが書かれています。 私は本も読まないような経営者などはまったく信用していないのですが(もし、社長の器量について心配している人は社長がどのような本をどれくらい読んでいるのか聞いてみるといい)、本書はただ読めばいいというものでもありません。
 小宮氏は「経営は実践であり、行動なのです」と書いています。
 本を読まない経営者より読む経営者、そして、それをきちんと実践していく経営者がやはり今のような時代だからこそ必要なのだと思います。

 「実践」ということでいえば、本書にはそれに関連してもうひとつ重要なキーワードがあります。
 それは「素直」ということです。
 本書に限らず「自己スキルアップ」の多くの本でさまざまな考え方なり技術なりが紹介されています。それにも関わらず、実は多くの読み手がなかなか「実践」できないのは、この「素直」さが足らないからではないかと思います。
 自分を変えたいと思いつつ、やはり変われない。「素直」でないために「実践」できないのです。「人が成功しているやり方を、まず素直に受け入れて、そしてそれを自分のものとしていきます」と小宮氏も書いていますが、書かれたことを「素直」に「実践」していくしか方法はありません。

 会社は何のためにあるか。
 それはお客さまや従業員を、そして究極的には社会を幸せにするためにあります。
 そして、「社長」とは会社の中で誰よりも強くそれを願う人であるべきなのです。
  
(2009/05/15 投稿)
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