02/03/2014 値上げのためのマーケティング戦略(菅野 誠二):書評「値上げの春、近し」

今日は節分。
戸口に鰯の頭を挿した柊(ひいらぎ)の小枝を挿すという
風習があるが、
今はそういうことをしている家も
ほとんどない。
豆まきの声すら
とんと聞かない。
豆撒くきの昔電燈暗かりき 川崎展宏
年の数だけ豆を食べるというが
60近い豆もそう食べれるものではない。
一夜明ければ
立春。
春はそこまで来ています。
ただ今年の春は消費税の値上げで
厳しくなりそう。
そこで今日は
菅野誠二さんの『値上げのためのマーケティング戦略』を
紹介します。
この本もクロスメディア・パブリッシングの
Yさんから
献本頂きました。
いつもありがとうございます。
普通の読者にはなかなか難しいかもしれませんが
価格とマーケティングのなんとなく
ニュアンスでも感じ取れれば
いいのではないでしょうか。
じゃあ、読もう。
![]() | 値上げのためのマーケティング戦略 (2013/11/08) 菅野 誠二 商品詳細を見る |

いよいよ4月から消費税があがる。
早々と運賃や切手、さらにはタバコの値上げが報道されている。
その一方で税率アップ分値上げできない企業も多くある。売上先からの強い要請、競合先との熾烈なせめぎあい、お客様の真剣な目。
せめて税李アップぐらいは値上げをしたい経営者にとって、厳しい季節は続く。
物(あるいはサービス)には当然価格がある。
その価格をどう設定するかは企業がもっている様々な要因に左右される。
この本が戦略としての「価格」をどう設定すべきか、マーケティングの観点から、さまざまな事例を参照しながら問うたもので、一読難しく感じるかもしれない。
一般読者にとってそれは仕方がない。
価格戦略は一流企業であっても難しいものだ。一歩間違えば、会社の趨勢にも影響しかねない。
一旦値下げをした商品を通常価格まで戻すことは容易ではない。
かつて価格戦略で右往左往したハンバーガーチェーンもあるし、「牛丼戦争」と互いに疲弊してしまうまで熾烈な競争を繰り返すところもある。
その一方で、値下げしないことがブランドだとセールすら打たない外国ブランドもある。
どのような商いにしろ、売上は単価×数量で算出できる。
著者は下げた単価分を取り戻す数量を確保するのは容易ではないという。
だからといって、単純に値上げできるとはいっていない。
値上げするまでにはさまざまなマーケティング手法を駆使し、お客様に納得してもらうだけに努力が必要だ。
「日本企業の復活のために、今こそ顧客価値創造プライシング力を強化すべき」と、著者はいう。
「プライシングは最も柔軟に対応策が打てる戦略であり、唯一利益を生む打ち手」とも。
さらには価格設定は自分らちのブランドを市場のどこに位置付けるかをお客様や競合に知らしめるシグナルにもなるのだと説く。
私たち消費者は、春からの消費税値上げによる便乗値上げを許すはずはない。
そんな中で、どのような価格戦略を打ち出し、顧客の心をつかむか、経営者の春はまだ少し遠く、厳しい。
(2014/02/03 投稿)

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