fc2ブログ
 芥川賞が発表されたあとの
 総合誌「文藝春秋」は芥川賞受賞作全文掲載
 売れ行きが伸びるらしい。
 本屋さんでも大量に並べられている。
 今回は第150回という節目となる芥川賞なので
 「文藝春秋」3月特別号(文藝春秋・900円)も
 芥川賞関連の記事でいっぱい。

文藝春秋 2014年 03月号 [雑誌]文藝春秋 2014年 03月号 [雑誌]
(2014/02/10)
不明

商品詳細を見る


 まずはグラビアのページ。
 「芥川賞クロニクル1935-」と題されて
 懐かしい受賞者の顔が並ぶ。
 石原慎太郎開高健大江健三郎
 皆さん、若い時は痩せておられた。
 最近は女性作家の活躍が著しくて、
 高樹のぶ子小川洋子、川上弘美
 今では選考委員になられた女性作家は
 授賞当時から美しく華やいでおられる。

 巻頭随筆も
 「芥川賞・直木賞 百五十回記念随筆」ということで
 佐藤愛子野坂昭如柴田翔、といった受賞作家の
 名前が並ぶ。
 ちなみに今回直木賞を受賞した姫野カオルコさんも
 随筆を書いています。

 もちろん「文藝春秋」3月特別号は
 第150回芥川賞受賞作となった
 小山田浩子さんの『』の全文掲載と
 詮衡結果が大目玉なんですが
 「決定保存版」と銘打たれた
 「芥川賞150回記念大特集」がなんといってもいい。
 リード文を抜粋しておきますね。

   「無名若しくは無名に近い新進作家を世に出したい」。
   菊池寛が賞制定を発表したのは、昭和十年一月号の本誌だった。
   爾来八十年。受賞者の喜び、落選者の涙、選考委員の賞賛と憤慨…。

 なるほど、なるほど。
 では、この記念企画の中にどんな記事があるかといえば
 今やお二人とも選考委員になった
 宮本輝村上龍の「特別対談 他の賞とは責任も緊張感も違います」に
 始まって、
 「元選考委員が今だから明かす舞台裏」、
 川上弘美、小川洋子川上未映子綿谷りさ、4人の美人受賞作家による
 「作家の本音大座談会」と続く。
 さらに「私が感動した芥川賞ベスト3」。
 この記事などは一般アンケートなどをいれてもよかったと
 思うのですが、
 そうすると最近の受賞作の票が増えるのかも、
 もっと多人数の方が面白かったと思います。

 もし、私なら何をベスト3にするかを考えてみたのですが
 三浦哲郎の『忍ぶ川』、中上健次の『』、
 それに森敦の『月山』でしょうか。
 庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』もいれたいけど。
 皆さんそれぞれの芥川賞があって
 その生きた時代を呼吸する作品が
 自分自身の形成するひとつの要素になっているのでは
 ないでしょうか。
 それが芥川賞の特質でもあるように思います。

 もちろん、「文藝春秋」3月特別号は
 芥川賞だけでなく
 安倍首相の靖国参拝をめぐる問題、
 都知事選に落選した細川元総理の「私はなぜ火中の栗を拾ったのか」といった
 政治の記事、
 あるいは新しい経団連会長となる榊原体制の「土光さんが泣いている」といった
 経済記事まで
 いつもいつもながら、読み応え十分の540ページです。

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/1987-87ad04ff