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プレゼント 書評こぼれ話

  わずか2、3日少ないだけなのに
  とても短く感じますね
  2月は。
  しかも、今月は2回も大雪に降られて
  そういうこともあってか
  あれ、気が付けば
  もう2月も終わり。
  今日は
  原田マハさんの『翔ぶ少女』を
  紹介します。
  表紙の少女像が素敵ですが
  これは前川秀樹さんという作です。
  この物語は
  1995年1月に起こった
  阪神淡路大震災を題材に
  しています。 
  あの当時
  私は大阪の豊中に住んでいました。
  職場は西宮北口に
  ありました。
  ですから、あの日のことは
  あの日からつづく日々のことは
  よく覚えています。
  もちろん
  あの日火災に包まれたわけでも
  身内に犠牲者が出たのでもありませんが
  心には傷が残りましたし
  それは今もあります。
  ですから、原田マハさんが
  どんな物語を紡ぐのか
  とても興味がありました。
  あなたなら、
  どんな感想をもたれるでしょうか。

  じゃあ、読もう。


翔ぶ少女 (一般書)翔ぶ少女 (一般書)
(2014/01/10)
原田マハ

商品詳細を見る

sai.wingpen  原田マハなら別の少女が描けたはず                   

 悲しみを描くのにどれだけの時間があれば足りるのだろう。
 敗戦という大きな悲しみのあと、戦後たくさんの良質な文学作品が書かれてきたことは小さな文学史を紐解けば明らかだ。
 そこに描かれたさまざまな人間の姿は、戦争という枠組みを超えて、普遍だから、文学作品として今も読み継がれている。
 戦後50年という年、1995年1月17日の早朝起こった阪神淡路大震災は、戦後成長し続けてきたこの国を驚愕の淵に落した出来事だった。
 燃え上がる炎、倒壊した高速道路、逃げまどう人々。死者の数は6400名を超える。
 それは戦争を知らない世代にとって、戦禍をイメージするには十分な災害だった。
 あれから20年近く経つが、戦後の文学のような普遍となる作品を生み出してはこなかったように思う。
 そして、残念ながら、阪神淡路大震災を題材にして描かれた原田マハのこの作品もまた、十分ではない。

 長田の町でパン屋を営んでいた一家は、あの日の地震で父と母を喪う。
 残ったのは、長男の逸騎、その妹の丹華(にけ)、そして末娘の燦空のきょうだい。丹華はしかも足を傷を負って動けない。そんな三人を救ったのが、自身目の前で妻を亡くした心療内科医の佐元良(さもとら)先生。
 両親を亡くして身寄りのないきょうだいを佐元良先生は養子として育てていくことにする。
 不自由な足のせいで人とうまく交われない丹華だが、先生のあとについて被災者支援にまわる。そこで出会った一人の少年に心ときめくまで、少女として成長した丹華。
 しかし、ある日、自分の身体に異変を感じる。
 少年のことを思えば思うほど、背中に強い痛みを感じ、それはついに肉を破り、翼となって丹華を驚かせる。
 誰にも知られてはいけない事実。
 けれど、そのことを丹華に見せただけで、落ちて消えた翼。

 その不思議な経験から何年かして、佐元良先生が持病の心臓病で倒れてしまう。
 必死で先生を助けようとする丹華たちきょうだい。その時、また丹華の背中には翼が。

 両親の死という悲しみを乗り越えて、人を愛する気持ちに目覚めた少女は、自身の翼で翔ぶことを知る。
 それは正しい見方だと思うし、そういう表現もあっていい。
 しかし、せっかく地元の神戸に育った原田マハであるなら、そんな彼女だから描かる作品であってもよかったのではないだろうか。
 翔ぶことも大事だが、大地をしっかり踏みしめることから逃げてはいけない。
  
(2014/02/28 投稿)

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