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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は図書館の本。
  著者は猪谷千香さん。
  本は『つながる図書館』。
  副題があって
  「コミュニティの核をめざす試み」と
  あります。
  私が図書館をよく利用する話は
  このブログでも何度か書きましたが
  猪谷千香さんのこんな言葉に
  同志に会ったように
  感動しました。

   読みたくなったら、図書館で借りればいい。
   少なくとも公立図書館には私の払った血税の一部が
   使われているのだから、
   「図書館は私の書斎だ」と
   勝手に思うことにした。

  もし、実際に猪谷千香さんに会って
  こんな言葉を聞いたら
  手を握りあったにちがいありません。
  そんな同志が書いた本ですから
  とてもわかりやすくて
  示唆に富んだ本です。
  図書館をよく利用する人も
  図書館に行くのが苦手な人も
  この本を読めば
  きっと図書館の魅力に
  ふれることができるでしょう。

  じゃあ、読もう。

つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)
(2014/01/07)
猪谷 千香

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sai.wingpen  図書館のあるべき姿に正解はない                   

 図書館は進化していることに気がついているだろうか。
 昨年大きな話題となったのが佐賀県の人口約5万人の街武雄市に誕生した「武雄市図書館」だ。
 レンタルビデオチェーンを経営する民間企業がその運営管理を任され、利用者が格段に増加したのだ。あわせて、この図書館には都会でよく見かけるカフェや書店まで隣接しているという。あるいは、民間企業が利用しているポイントを付与すべきかどうかまで問題となった。
 図書館の利用者が増えることは悪いことではない。
 そのために、図書館側が開館時間を延長したり、さまざまな工夫をしているのが実情だ。
 本書は進化を続ける図書館事情をレポートした、読み応えある一冊に仕上がっている。

 「武雄市図書館」のことは大いに話題になったから知っていたが、その近くにもう一つ「視察が絶えない」図書館があることを、この本で初めて知った。
 同じ佐賀県の伊万里市にある「伊万里市民図書館」である。この市も人口は武雄市とほぼ同じ。
 「伊万里市民図書館」には目新しいことはない。それでいて、ある調査では「活動が優れている」図書館のベスト10に入っているという。
 この図書館の優れている点は、市民がその誕生日を祝うほど、市民に愛されているという点だ。
 設計段階から市民が携わってできた図書館は、今や「市民を育て、町をつくる」核になっているのだ。

 図書館のあるべき姿に正解があるわけではないだろう。
 先に挙げた図書館以外にも本書では東京武蔵野市の「武蔵野プレイス」や長野県小布施町の「まちとしょテラソ」といった進化した図書館が紹介されている。
 けれど、著者はどの図書館の形がいいかという答えを出してはいない。
 あるいは、現在図書館運営で論議を呼んでいる「指定管理者制度」についても、答えはない。
 その中で、著者は「機能向上を目指す攻めの図書館」が必要だという。
 そして、よく利用している図書館を見ているだけではなく、色々な街の図書館のありようを利用者はもっと知るべきだと書く。

 本書を読んで、こんな図書館もあるのだと知ることは、いつかあなた(読者)の街の図書館を変えていくだろうし、それは街をもっと住みよいものに変えていく近道でもあるだろう。
  
(2014/03/14 投稿)

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