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  今日は24節気のひとつ、夏至

    地下鉄にかすかな峠ありて夏至   正木ゆう子

  正木ゆう子さんは若い俳人ですが
  自身『夏至』という著作もあるくらい
  この季節がお好きなようです。
  今日が昼の一番長い日と
  子どもの頃に教えられました。
  まさに峠のてっぺん。
  これからは徐々に短くなっていきます。
  そんな季節感はいつまでも大切にしたいですね。
  今日紹介する『こども歳時記』は
  「大人も読みたい」とあるように
  大人の鑑賞にも十分耐えうる歳時記です。
  私が今使っている歳時記は
  角川ソフィア文庫の『俳句歳時記 第四版増補』版です。
  正木ゆう子さんの句も
  ここから引用しました。

  じゃあ、読もう。

大人も読みたい こども歳時記大人も読みたい こども歳時記
(2014/02/26)
季語と歳時記の会

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sai.wingpen  こどもだけではなく                   

 近年夏になると、猛暑日やゲリラ豪雨だと、過激な気候が顕著だ。
 元来この国の四季は、もっと優しかったはずなのに。
 優しい季節に育まれて、山の緑が映え、川のせせらぎが癒し、波の音が胸にしみた。動物たちは命をつなぎ、植物は四季折々に色をそえてきた。
 そこで生きる私たちもそんな優しい四季に寄り添うような営みを続けてきたのだ。
 多分、「歳時記」は俳句の世界だけでなく、そんな私たちが生み出した叡智だと思う。
 私たちの先人がこしらえてきた豊かな四季を終わらせてはならない。
 子どもたちへ、それに続くものたちに、この優しい四季をつなげていかなければいけないのだ。

 この本は「歳時記」を小学生や中学生にも使いやすいように編集したもの。
 見出し季語あるいは傍題季語が並んでいるのは普通の「歳時記」と同じで、「歳時記」と同じように例句もついている。
 「こども歳時記」であるから、例句にも小学生や中学生が詠んだ句も収められているが、有名な俳人たちの句もあって、鑑賞にも十分耐えられるようになっている。
 例えば、「暑し」という夏の季語の例句は中学3年生の松田君の「暑い夏ヒートなハートがビートする」もあったり、芥川龍之介の「蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな」であったりする。

 文豪芥川龍之介と無名の少年の句を並べてみたが、読者にはどう響いただろうか。
 さすがは芥川、と感じた読者もいるだろうが、松田君の俳句だって負けてはいないと私は思った。
 この本の監修をした俳人の長谷川櫂氏は子どもの俳句には二つの資質が必要だと書いている。
 ひとつが子どもにしか作れない俳句であること、もうひとつが大人の鑑賞にも堪えるものであることだという。
 松田君の俳句にはその二つもがある。むしろ、芥川の俳句に子どものような感性を感じてしまうのは私だけだろうか。
 大人はつい考え詠んでしまう癖がある。
 「カレンダーいちまいぜんぶなつやすみ」(小5・武田君)のような平易でありながら、素直な心持ちを大切にしたい。

 表紙絵は先日急逝した安西水丸氏の作品。
 安西氏の絵もまた芥川の俳句のような生き生きとした子どもの目を感じる。  
  
(2014/06/21 投稿)

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