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プレゼント 書評こぼれ話

  今回紹介しました、稲盛和夫さんの『働き方』という本を読んで
  いろいろ考えさせられました。
  書評の中にも書きましたが、今雇用状況は極めて悪化しています。
  「働く」ということは憲法の中でも「すべての国民は、勤労の権利を有し」と
  定められています。
  しかし現実には二人に一人しか求人がないという状況です。
  そういう中で「働くことの意義」といわれても、
  どうしようもない人もいると思います。
  誤解を恐れずに書けば、
  私も「無所属の時間」を過ごすようになって、
  まもなく一年になろうとしています。
  仕事がないのですから、どうしようもありません。
  ただ、だからといって何を嘆くことがありましょう。
  仕事がないことが全人格を否定するものではないのです。
  今回の書評を読んで、甘いと感じる人もいると思います。
  しかし、私は稲盛和夫さんのいう、

    思いは必ず実現する

  は、正しいと信じています。
  
働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」
(2009/04/02)
稲盛和夫

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sai.wingpen  思いは必ず実現する                矢印 bk1書評ページへ

 稲盛和夫氏の著作に、「経営の神様」松下幸之助氏の講演会に初めて参加した時のエピソードが度々出てきます。まだ京セラを創業したばかりの頃です。
 有名な「ダム式経営」の話をされた松下氏に、「どうすれば余裕のある経営ができるのか、具体的な方法を知りたい」という質問がでます。そのときの松下氏の答え「それは思わんとあきまへんなぁ」に、会場には失笑がもれたとその場にいた稲盛氏は記憶しているのですが、氏自身は「身体中に電撃が走る」ほどに、その答えに感銘を受けるのです。
 「思わなければ何も実現しない、このことは仕事のみならず、人生における鉄則でもあるのです」(82頁)と、このエピソードにつづいて本書に書かれています。さらに、重ねて稲盛氏はこう続けます。
 「思いは必ず実現する」。
 昨年より続く経済不況は依然厳しいものがあります。在庫調整や雇用調整で企業の業績は底打ち感がありますが、それは単に数字上のみせかけに過ぎません。
 先日発表された有効求人倍率は驚くべき低さまで下がっています。そして裏表の関係で、失業者の人数が増加しています。
 働きたくても仕事がない、そういう環境下にあって、「働くことの意義」を説く稲盛氏の著作は有効なのでしょうか。多くの人たちは「哲学」よりも新しい雇用を創出する提案を待っているのではないでしょうか。
 しかし、そうであっても、私は稲盛和夫氏のこの本『働き方』は有効であり、私たちに勇気を与えてくれる一冊であると確信します。

 「働くことは人間を鍛え、心を磨き、「人生において価値あるもの」をつかみ取るための尊くて、もっとも重要な行為である」(21頁)という稲盛氏に、実際に働くためにはどうすればいいのかと問うたとして、果たして稲盛氏はどう答えるでしょう。きっと具体的な解決方法を聞くことはできないでしょう。その時、あなたは失笑しますか。失望しますか。
 私には松下幸之助氏の「そう思わんとあきまへんなぁ」という答えに失笑した多くの人のことを思います。彼らとその答えに深く感銘した稲盛氏との、大きな差を感じざるをえません。
 仕事がないことは事実です。それでも私たちは生きていかなければなりません。
 今や経済界の重鎮でもある稲盛氏にもかつて周りの人たちが「また稲盛が泣いている」とまで噂したつらい時期があるといいます。そんなとき、夜ひとり故郷をしのび、親兄弟のことを想い、自分の心を癒したそうです。そんな稲盛氏だからこそ、「苦難がずっと続くことはありません。もちろん幸運のままであることもないでしょう。得意のときにはおごらず、失意のときにもくじけず、日々継続して懸命に働き続けることが何より大切です」(121頁)といったような言葉が重みを持つのです。

 この本は、働けなくて困っている人や働くことに悩んでいる人にとって、勇気の一冊です。
  
(2009/06/05 投稿)

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