FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  昨日は
  宇野亜喜良さんがイラストを担当した
  『踊りたいけど踊れない』を
  紹介しましたが、
  今日は
  やはりイラストレーターで絵本作家の
  安野光雅さんの『マッチの気もち』を
  紹介します。
  安野光雅さんも書いていますが
  最近マッチを見ることは
  ほんとに少なくなりました。
  子どもたちで
  マッチを知らない人も
  いるのではないかも。
  これは困った。
  マッチを知らないと
  どうして困るかというと
  あれをつけるのは
  結構難しいというか
  子どもにとっては
  怖々のところがあって
  そういう経験を通じて
  火のすごさというか
  人生の大変さがわかるという面が
  あるのではないかしらん。
  マッチのない人生なんて
  つまらない。

  じゃあ、読もう。

マッチの気もちマッチの気もち
(2014/09/12)
安野 光雅

商品詳細を見る

sai.wingpen  マッチのない人生なんて                   

 燐寸と書いて、マッチと読む。
 なかなか読めないが、そもそもマッチを知らない世代もいるかもしれない。
 そういえば、最近マッチを見たのはいつだろう。
 100円ライター(今は消費税で100円では買えないが)が普及して町からマッチが消えてしまった。
 かつては喫茶店の洒落たマッチを収集する人もいたほどだが、今ではどうだろう。
 どこの家にも必ず徳用マッチがあったものだ。
 これも今では稀少品だろう。

 そんなマッチの気持ちを代弁して、いやマッチへの愛をこめて書かれた本が、この本。
 まえがきのような文章の冒頭、作者の安野光雅さんは「マッチはどこへ行ったのかしらん」と書いている。そんな気持ちで「こんな本」を書いたと続けている。
 但し、「こんな」と「本」の間に、吹き出しで「え」とある。
 つまりは、「マッチの気持ち」を絵本にしたということになる。

 中にはさまざまなマッチが描かれている。
 たんぽぽの綿毛のように飛んでいくマッチであったり、吹き矢のようにマッチの赤い頭が飛んで行く絵であったり、ドミノのように倒れていくマッチであったり、耳かきのように先っぽが折れているマッチであったり。
 そういえば、マッチで耳をほじくっている人、昔はたくさんいた。
 さらに思い出したのだが、マッチでクイズをよくしていた。
 「一本のマッチを動かして数字の5をつくりなさい」なんて。

 この本はお遊びだけど、単に笑うだけでないものがなる。
 それは今消えようとするものへの哀悼の気持ちだ。
 代用品がちゃんとあるマッチがこの世界から消えてしまっても誰も困らないだろう。けれど、マッチが生き生きとしていた時代を知っている人にとって、それがどれほど切なく、悲しいものか。
 この気持ち、マッチを知らない世代にはわかってもらえないだろう。

 何故か、「うしろすがたのしぐれてゆくか」、山頭火の句が頭をよぎった。
  
(2014/11/14 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/2260-afcc5399