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プレゼント 書評こぼれ話

  東日本大震災から3年8ヶ月。

  被災地東北には
  また厳しい冬が到来します。
  今日紹介するのは
  松瀬学さんの『負げねっすよ、釜石』。
  副題に「鉄と魚とラグビーの街の復興ドキュメント」と
  あります。
  「・・・ねっす」という方言がいいですね。
  あったかい。
  地方の良さというのは
  言葉の響きでもそうですが
  やはりあって
  東北は寒いけれど
  言葉がとてもあたたかい。
  もちろん言葉だけど復興できるということでは
  ありませんが、
  くじけそうになる心を支えるのも
  また言葉です。
  東北に一日でも早く
  「福来旗」がはためく日まで。

  じゃあ、読もう。 
  
負げねっすよ、釜石 鉄と魚とラグビーの街の復興ドキュメント負げねっすよ、釜石 鉄と魚とラグビーの街の復興ドキュメント
(2011/10/18)
松瀬学

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sai.wingpen  ひとりはみんなのため、みんなはひとりのため                   

 岩手県釜石市。2011年3月11日に発生した東日本大震災で甚大な被害を得た。
 釜石といえば津波をもたらした海と共存共栄していた漁業の町でもある。同時に新日鉄の製鉄所を抱える鉄の町としても知られる。
 そして、スポーツ好きの人であれば、かつて日本選手権で七連覇を成し遂げた「北の鉄人」と呼ばれたラグビーチームのある町というだろう。
 鉄と魚とラグビー。
 一見何の関連性もなさそうな三つの事柄を結びつけているのが、「ふらいき」と呼ばれる大漁旗だ。
 ラグビーの試合会場でたくさんの大漁旗がたなびく光景を目にした人は多いはす。
 この本もまた、大震災のあと懸命に復興に生きる人たちを励ます大漁旗だ。

 「ふらいき」は「富来旗」とも「福来旗」とも書くらしい。
 大漁となった船が寄港する際にその成果を陸に待つ人々に知らせるすべとして使われる。
 かつて、新日鉄釜石が連勝していた国立競技場にはこの旗が多く打ち振られていた。
 なんだか男たちの心意気を感じる。
 そんな男たちの夢や希望を一瞬にして打つ壊したのが、東日本大震災だった。
 ラガーマンたちもまた同じだった。
 本書は自身学生時代にラグビー部員として活躍し、現在はスポーツライターである著者が、大きな打撃を受けたラガーマンたちにインタビューし、その行動をたどったドキュメントである。

 知人を亡くし、家を流された選手もいるが、選手たちは希望を捨てていない。
 自分たちが釜石のラグビークラブの選手だからこそ、人より余計に前を向こうとしている。
 それは、彼らこそ釜石の誇りだからだ。
 残念ながら今のチームにかつてのチームのような強さはない。しかし、だからこそそのチームを支えようとする町の人たちがいる。その声援に応えようとする選手がいる。
 本書の中に「復興とラグビー精神は似ている」といった人がいる。
 ラグビーを語る上で有名な言葉「ひとりはみんなのため、みんなはひとりのため」が、そのあとに紹介されている。

 東日本大震災という大きな悲しみに押し込まれながらも、ここに生きる人たちはスクラムを組んではねのけようとしている。
 著者はいう。「「めさ、進むべ」/めさは「前さ」の釜石弁。どんな時でも人は前へ進むしかないのである」。
 「ふらいき」がはためく、熱い一冊だ。
  
(2014/11/11 投稿)

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