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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日
  17歳の時に書いた
  アーサー・ペン監督の「奇跡の人」の映画評を
  紹介しましたが
  あの頃、
  私は映画にはまりこんでいました。
  高校の授業が終わると
  よく友人たちと試写会に行ったものです。
  映画にはまる一方で
  漫画にも夢中になっていました。
  そんな時代に大好きだったのが
  今日紹介する永島慎二です。

  永島

  この本は
  1970年に筑摩書房から刊行された
  全12巻の『現代漫画』(第2期)の内の一冊です。
  ちなみにそのラインナップを紹介すると
  清水崑富永一郎馬場のぼるなどの名前が
  あります。
  写真に載せたのは
  永島慎二の自画像ともいえる
  漫画家のイラストです。
  なんだか同窓会以来
  あの時代が懐かしくて
  たまりません。
  とっくに過ぎ去ったはずですが
  どうしてこんなに
  懐かしいのでしょう。

  じゃあ、読もう。

現代漫画〈第2期 8〉永島慎二集 (1970年)現代漫画〈第2期 8〉永島慎二集 (1970年)
(1970)
鶴見 俊輔、佐藤 忠男 他

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sai.wingpen  1970年私は永島慎二の漫画に夢中だった                   

 永島慎二は1970年代「青年漫画の教祖」と呼ばれるほど若者たちの人気を集めた漫画家です。
 初めて永島の漫画を読んだのはいつだったか、それが何だったか忘れてしまったが、17歳の頃永島の漫画に夢中になったことだけははっきり記憶している。
 なかでも『漫画家残酷物語』には夢中になったし、そこから永島の短編作品を読み漁った。
 しかし、商業的には成功を治めただろう梶原一騎原作の『柔道一直線』は読んでいない。なんとなく永島にとっても不本意な作品だったような気がする。

 本集は初版が1970年となっている。
 『漫画家残酷物語』から3編(残念ながら私の好きな「陽だまり」は掲載されていない)、『フーテン』、『若者たち』からそれぞれ1編、そのほかに初期の作品『愛犬タロ』や『殺し屋人別帳』などが収めれている。
 さらには永島自身による自解と佐藤忠男の解説がはいっている。

 1970年といえば、私は15歳。
 日本中が大阪で開催された万博に熱狂していた年でもある。
 しかし、誰もが浮かれていたわけではない。
 生きることに悩み、何をすべきかわからず、どこに行くべきかを模索していた若者たちがいたことは間違いない。
 学生たちは70年安保にさまよい、その弟分である私たちはぼんやりしていた。
 永島慎二はそんな世相にあって、生きることの悩みを隠すことはなかった。
 だから、若者たちは永島の漫画に吸い寄せられていったのではないだろうか。

 永島の描く青年たちは、それは男であれ女であれ、どうしてあんなに悲しそうな表情をしていたのだろう。
 万博に象徴されるようにこの国は高度成長期にあったが、若者たちにとって生きやすい社会とはいえなかった。
 永島の漫画はそんな若者たちをしっかりと見つめていた。
 そして、何よりもそんな若者たちを非難することはなかった。

 永島慎二は2005年6月、70歳にもならないうちに亡くなった。
 晩年は漫画家として大きな活躍をしたわけではない。
 けれど、1970年代に若い世代であったものたちにとっては、永遠に私たちのダンさん(これが永島の愛称)であったといえる。
  
(2014/11/29 投稿)

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