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06/17/2009    経営を見る眼:書評
プレゼント 書評こぼれ話

  今回紹介した伊丹敬之さんの『経営を見る眼』は、
  2007年に出版された「経営入門書」です。
  このあと、日本だけでなく世界的規模の不況になり、
  経営を取り巻く環境は当時とは様相が一変しています。
  ただ、この本の副題に「日々の仕事の意味を知る」とあるように、
  この本が教えてくれることは、
  こういう時代だからこそ、もう一度多くの人が、
  理解し、考えないといけないことだと思います。
  ちなみに、伊丹敬之さんは企業家でも経営コンサルタントでもありません。
  大学の先生です。
  「学問」と「現場」は違うという人はいるかもしれませんが、
  私は「学問」で精錬された知恵は使わないと損だと思っています。
  それに本書ができるまでには社会人学生との議論も
  参考にされているようで、
  「現場」に近い目線ではないでしょうか。
  「学問」もより「現場」の声を聞く、
  仕組みづくりが必要だと思います。
  
経営を見る眼 日々の仕事の意味を知るための経営入門経営を見る眼 日々の仕事の意味を知るための経営入門
(2007/06/29)
伊丹 敬之

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sai.wingpen  今こそじっくり「経営」を学ぶ            矢印 bk1書評ページへ

 企業とは、良きにつけ悪しきにつけ、縦のピラミッドでできている。
 小さな企業ではそのピラミッドの数が少なく、大企業ではそれが無数にあると思えばいい。けれど、経営者を頂点にして、底辺に広がる三角形であることは事実だ。
 そして、そのピラミッドは組織を構築する数だけある。中間管理職の多くはそれぞれのピラミッドの頂点だ。
 人は大小にかかわらず、まずその頂点を目指す。最初は小さなピラミッドでもやがてはより大きなピラミッドの頂点を目指す。あるいは、唯一の経営者をめざす人もあるだろう。
 本書は「企業組織の中でマネジャーやさまざまな立場のリーダーになることをめざしている人たち」、すなわち「働く人の側に立っ」た、経営入門書である。
 この本を手にするのは、すでに経営者として日々「経営」を考えている人もいるだろうし、中間管理職として奮闘されている人もいるだろう。また、将来そういう立場になることを信じて邁進している若い人もあるだろう。それぞれの立場で、本書から受ける印象が違うと思う。
 例えば、本書の第3部「リーダーのあり方」などは若い人からみれば「だから、あの上司はダメなのだ」という愚痴がでるかもしれないし、中間管理職の人なら「そうだよ、こんなにしてるのにどうしてわからないんだ」と嘆息するかもしれない。
 それでも、こういう本が幅広い層で読まれることは望ましいと思う。
 なぜなら、一人ひとりが「経営を見る眼」でもって、それぞれのベストを考えることは企業にとっても、社会にとっても悪くない。理解の深浅は避けられないだろうが、それはコミュニケーションで解決すべきだ。
 上司は部下の不平不満から逃げてはいけないし、部下は上司の不勉強に媚びてはいけない。

 本書では第1部の「働く人と会社」、第2部の「企業とは何か」で全体感が示され、その後「リーダーのあり方」「経営の全体像」といった「組織全体を経営するとは」という問題を解いていく。そして、最後は「経営を見る眼を養う」と題され、著者のアドバイスがまとめられている。
 その中での特にはじめの二つの単元は重要だろう。最初からピラミッドの頂点になることばかりを考えずに、「人はなぜ働くか」であったり「企業は誰のものか」といった根本のことを理解することは、「経営」を知るための、飛ばしてはいけない、第一歩である。
 まず、その一歩から歩みだしたい。
  
(2009/06/17 投稿)

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