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プレゼント 書評こぼれ話

  東日本大震災から3年10ヶ月。

  今年(2015年)は阪神淡路大震災から20年になります。
  あの日大阪で地震を経験した私にとって
  やはり1995年1月17日は忘れられない日です。
  横倒しになった高速道路、
  道を塞ぐようにして倒れたビル、
  燃えさかる炎。
  地震の怖さを初めて経験した人も
  多かったと思います。
  20年経とうが
  その怖さを忘れられないのですから
  阪神大震災以上の被害をもたらした
  東日本大震災のことは
  4年近くなっても
  忘れられないのは当然です。
  それに
  私たちはあの日のことを
  忘れてはいけないのです。
  被災されたたくさんの人たちの涙もそうだし
  必死に生活を守ろうとした人たちのことも。
  今日紹介する
  稲泉連さんの『命をつなげ』は
  副題に「東日本大震災、大動脈復旧への戦い」とあるように
  基幹道路の復旧にいどんだ人たちの姿を
  描いています。
  新潮文庫の一冊になる時に
  改題されていますが
  単行本の時のタイトル
  『命をつないだ道 - 東北・国道45号線をゆく』の方が
  わかりやすかったのではないかと
  私は思うのですが。

  じゃあ、読もう。

命をつなげ: 東日本大震災、大動脈復旧への戦い (新潮文庫)命をつなげ: 東日本大震災、大動脈復旧への戦い (新潮文庫)
(2014/11/28)
稲泉 連

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sai.wingpen  あの時道を開いた人たちがいた                   

 災害があるたびに、インフラのことが問題になります。
 停電しています。ガスの供給がストップしています。断水です。
 電気、ガス、水道。これらは生活インフラと呼ばれるものです。
 そもそもインフラとは「インフラストラクチャー」の略で、「産業や生活の基盤として整備される施設」という意味。
 生活基盤も欠かせないし、大切ですが、道路というインフラも大事です。
 送電線が直すにしても、その事故現場に行けないとなると、直るものも直らない。
 道は生活の血流のようなものですから、血が流れないことには命が途絶えてしまいます。

 2011年3月11日に起こった東日本大震災でも、その道が消えてしまいました。
 この作品は地震と津波で壊滅的な状況に陥った国道45号線復旧に挑んだ人たちの姿を描いたノンフィクションです。
 国道45号線は青森市と仙台市を結ぶ「約510キロメートルにわたって三陸沿岸を貫く基幹道路」です。
 この本にはその国道45号線の全図が収められていますが、見事に三陸沿岸に沿って作られた道だということがわかります。
 東日本大震災では津波の被害が大きかったことは、震災のあとの報道でよく知っています。
 道路に横たわる大型の船。瓦礫と化した多くの家屋。
 それを取り除かなければ救援活動も復旧活動もままなりません。
 国道ですから国土交通省の管轄になりますが、実際には地元の建設会社もその安全維持にさまざまに関わっています。
 この作品では国道45号線復旧に関わったたくさんの人の姿を三つの場面で描いていきます。

 中でも印象に残るのは、釜石市の事例です。
 第三章の「地元住民が作った「命の道」」がそれです。
 ここでは地元住民が命をつなぐために、自ら「道を作る」姿が描かれています。
 あの日、あの時、多くの涙が流されました。
 肩を落とす被災者の姿を多くの報道で見ました。その一方で、生きるために、道を作った人たちもいたのです。
 災害報道はどうしても被災者に目がいきます。それは正しい。
 しかし、それだけではなく、命をつなぐために、多くの人が知恵と力を寄せ合っていたことも忘れてはなりません。

 文庫本では国土交通省技監の徳山日出男氏の解説もわかりやすく、一読に値します。
  
(2015/01/11 投稿)

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