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プレゼント 書評こぼれ話

  今日3月10日は
  70年前の昭和20年に
  東京大空があった日です。

    墨堤の三月十日茜燃ゆ    松本 実

  この日犠牲となった人は
  10万人にのぼるといわれてます。
  それも、また昭和の姿です。
  昨日に続いて
  今日も昭和を描いた一冊。
  小泉和子さんの
  『昭和すぐれもの図鑑』。
  この本は
  先日紹介した
  池内紀さんの『本は友だち』で
  紹介されていたものです。
  その時の書評にも書きましたが
  まさに本という友だちの輪ですね。
  この本は
  写真もたくさん掲載されていて
  見ているだけでも
  楽しくなってきます。
  もっともそんな風に感じるのは
  昭和生まれの人だけかもしれませんが。
  私にとっての昭和は
  石臼を挽く母の横にいたり
  着物を洗い干す母のそぼにいたりと
  なんだか
  あったかい母の思い出とともに
  あります。
  母が亡くなって
  5年めの春が
  またやってきます。

  じゃあ、読もう。  
  

昭和すぐれもの図鑑 (らんぷの本)昭和すぐれもの図鑑 (らんぷの本)
(2007/03)
小泉 和子、田村 祥男 他

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sai.wingpen  もう一度昭和という時代をみつめよう                   

 昭和という時代は歴代元号の中で最も長い64年に及ぶ。
 その間に戦争という暗い時代は挟まっているので、実際には戦争以前と戦争後に区切られるといっていいし、その時代が持っていた気分でいえば、昭和30年代までが昭和でそれ以降の高度成長期は平成前史ともいえる。
 この本の著者小泉和子さんは1933年生まれだから昭和の人である。「昭和のくらし博物館」の館長でもある。この博物館は自身に家を公開した私設のものだという。
 小泉さんが昭和、特に昭和30年代頃まで、にこだわるのは、その時代にはまだ「人間味あふれるくらし」があったからだ。
 あの時代を単に懐かしむのではなく、経済的な成長とともに失ったものを取り戻すことが必要になる。
 それは時代に生きる人々の気質のことだ。
 けれど、その気質がこの本で紹介されている「すぐれもの」を生んだといえるし、そういった生活空間や道具が気質を作りだしていたともいえる。
 そういった視点で、本書を読むとまた違ったものが見えてこないだろうか。

 例えば、冒頭で紹介されている「縁側」。
 私の実家にはまだ「縁側」は残っているが、「細長いサンルーム」のようなもので「冬は暖かく、夏は涼し」くて「明るいのでミシンや机の置き場」に、まさに本書で書かれているそのままの光景が記憶にある。
 この「縁側」は「便利な社交場所」でもあったというのもそうで、確かに「縁側」は家と地域を容易に行き来させていた。
 その「縁側」を最近の住宅は持たない。つまり、家は地域から切り離されたものとしてある。
 色々な事件が起こるたびに社会の目とか地域の交流といわれるが、実はその仕掛けを私たちは喪ってしまっている。

 あるいは「日向水」。これは単にバケツや盥に水を張って、太陽の陽ざしで暖かくしているだけなのだが、そういう自然の恵みを私たちはいつの間にか忘れている。
 バケツや盥を置く場所がないということもあるだろうが、ゆっくりと暖まっていく時間を待てなくなっていることに原因がある。そういう手間ひまを惜しむことで、もっと地球にダメージを与えている。

 東日本大震災のあと、多くの人たちが今のままの電気の使い方ではよくないと言ったはず。
 それなのに、あっという間にまた元の煌々と灯りのついた生活に戻ってしまっている。
 そのことも含めて、もう一度昭和という時代を考え直す必要があるように思う。
  
(2015/03/10 投稿)

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