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プレゼント 書評こぼれ話

  3月9日のニュースで
  初めて知りました。
  驚きは悲しみとともにあります。

     松谷みよ子さん死去 深い人間性を表現し続けた人生

  児童文学者の松谷みよ子さんが
  2月28日に89歳で亡くなったという訃報です。
  松谷みよ子さんといえば
  数々の代表作がありますが
  私の友人はお孫さんに
  松谷みよ子さんの絵本を
  贈ったといいます。
  いったい
  どれだけの世代に愛された作家だったことか。
  代表作のひとつ、
  『ちいさいモモちゃん』は620万部の大ベストセラーに
  なっています。
  「モモちゃん」シリーズでは
  親の離婚問題に触れるなど
  現実の問題に目を背けなかったのが
  松谷みよ子さんだったのでは
  ないでしょうか。
  このブログでも
  「モモちゃん」シリーズは紹介しています。
  今日は追悼の意味で
  『ちいさいモモちゃん』を
  再録書評で紹介します。
  2012年1月に紹介した書評です。

  心からご冥福をお祈りします。

  じゃあ、読もう。

  
ちいさいモモちゃん (講談社文庫)ちいさいモモちゃん (講談社文庫)
(2011/11/15)
松谷 みよ子

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sai.wingpen  追悼・松谷 みよ子さん - それぞれのモモちゃん    

 もし、この文庫本のカバー装画と口絵を酒井駒子さんが担当しなければ、この松谷みよ子さんの名作を再読しなかったかもしれません。酒井さんの絵が好きだということもありますが、本書のカバーに描かれたモモちゃんの、なんともいえないかわいらしさ、憎々しさといったら。
 一歳や二歳の子供はかわいいばかりではありません。時に、あるいはほとんどわがままで、自己中心的で、それはそれであたりまえなのですが、とってもかわいいという言葉で括れません。
 そんな幼児の表情を、酒井さんは見事に表現しています。

 特に口絵で収められている「モモちゃん、怒る」のモモちゃんの恐い表情はまるでオカルト映画に出てくる赤ちゃんのよう。
 物語ではこの時モモちゃんは「二つと少しになった」ばかりです。
 ママが仕事で遅くなって「あかちゃんのうち」に迎えにいくのが遅くなりました。だから、モモちゃんはとっても怒ってしまいます。「ママが、あんまりおそいから、もう、おこっちゃって、ずうっと、ずうっと口をきかないの」というくらい怒っています。そんなモモちゃんを、酒井さんはモモちゃんと同じ背丈の視点で見事に描いています。 

 酒井駒子さんの描く女の子は、みんなその子たちと同じところに立っています。大人でもなく、読者でもない。だから、いつも、真実の子供たちです。
 だから、この文庫本の解説を書いている角田光代さんは、酒井さんの描くモモちゃんを見て、「泣きそうになった」と告白している。そして、あらためて「モモちゃんは、私たちそれぞれのなかでこんなにも生き生きと存在している」ことに気付く。
 たぶん酒井さんの描くモモちゃんと読者、特にとっても昔に(なんたってモモちゃんの物語が初めて書かれたのは昭和36年なのですから)モモちゃんに出逢った人たち、とはその思いは違うかもしれない。でも、それでいいんじゃないでしょうか。
 誰もがそれぞれのモモちゃんを持っていて、誰もがそれぞれのモモちゃんにたくさんのことを教えられる。人は、モモちゃんとともに、成長してきたといえるんじゃないかな。
  
(2012/01/16 投稿)

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