プレゼント 書評こぼれ話

  毎週金曜の夜、
  つまりは今夜ですが
  BSジャパンで夜11時から放送されている
  「あの年この歌〜時代が刻んだ名曲たち〜」という番組を
  楽しく見ています。
  アルフィーの坂崎幸之助さんと高見沢俊彦さんが
  交互にコメンテーターとして登場。
  進行役のテレビ東京の佐々木明子アナウンサーが
  いいですね。
  そこで解説をしているのが
  今日紹介する『ユーミン・陽水からみゆきまで』の著者
  富澤一誠さん。
  この番組では
  その時代時代に流行った歌を取り上げているのですが
  やはり青春時代だった
  1975年前後の歌はよく覚えています。
  この本でも
  その時代の歌が多いですから
  夢中になっって
  一日で読了してしまいました。
  あの時代のベストワンは
  やっぱり井上陽水の「心もよう」かな。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  あの年この歌                   

 もう40年前になる。大学生の頃、中島みゆきの歌を聴いていたら、暗い曲だねと言われてことがある。その時、本当は山崎ハコというもっと暗いシンガーにはまっていたのだが。
 そういえば、と思い出したことがある。ユーミンがテレビで特集されて時のことだ。テレビの前にカセットを持っていって、録音したことがある。周りの家族には静かにしてもらって。
 まるで、少し前の青春映画みたいだ。
 そんな場面にいつもカセットプレイヤーがあった。もちろんラジオもはいる。FM放送でよく録音したものだ。その頃の私がもっていた唯一の音楽プレーヤーだ。
 そんな時代に聴いた歌。そんな時代に一緒だった歌。
 音楽評論家富澤一誠がこれまでの「傍観者」としてではなく、その時代の「当事者」として綴った、音楽極私的評論集が、この本である。

 この本に登場するミュージシャンはユーミン、岡林信康、吉田拓郎、井上陽水、かぐや姫、さだまさし、アリス、松山千春、小田和正、そして中島みゆきの、1970年前半に登場し、私たちを夢中にさせた10人である。
 それに、若き日の「フォーク評論家」富澤一誠だ。
 そして、今やおそらく60歳を超えた私たち「読者」の青春の群像だ。
 もちろん、小椋桂がはいっていないとか高石ともやははずせないとか、加川良は、とか個人的な好みはあるだろうが、この10人はどうしてもはずせないような気がする。
 歌の流れでいえば、ユーミンこと荒井由美の登場はそれまでのフォークソングの大きな流れを一気に変えた事件であった。この時からニューミュージックという大河になっていく。

 でも、あの時代は歌が同伴者だった。
 文学的にいえば、太宰治の文学に似ていた。読んでいる(聴いている)私だけに語って(唄って)くれた。手を伸ばせば、歌と肩を寄せ合えた。歌が背中をとんとん叩いてくれた。
 ユーミンが作詞作曲した「いちご白書をもう一度」のように、就職をして長い髪を切った時から、私たちは彼らの歌をどこかで切り捨てていったような気がする。
 どんなにしても、中島みゆきの「麦の唄」は、「時代」にはなれないのだ。
  
(2015/08/21 投稿)

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