プレゼント 書評こぼれ話

  今回の芥川賞受賞作
  『火花』じゃない方。
  そんな言い方をされるのだろうか。
  今日は羽田圭介さんの
  第153回芥川賞受賞作
  『スクラップ・アンド・ビルド』を紹介します。
  又吉直樹さんの『火花』が
  あまりにも脚光を浴びて
  羽田圭介さんは損をしているのじゃないかな。
  文学に損とか得とかないでしょうが
  やはり霞んでしまいますもの。
  それに、
  作品ももう少し様子見でもよかったのでは
  ないでしょうか。
  今回を又吉直樹さん一作にして
  羽田圭介さんは
  次の受賞に持っていく。
  どうも受賞に至る経緯が
  選評だけ読んでも
  あまりよくわからない。
  又吉直樹さんの『火花』だって
  選評を読むと
  選考委員の人たちは
  手放しで賛成している訳でもない。
  直木賞のすっきり感と
  大違い。
  もやもやしています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  芥川賞の2作受賞は妥当だったか                   

 第153回芥川賞受賞作。
 この回の芥川賞は久しぶりにニュース性を持った内容となったから、2作品のW受賞ということは多くの人が知っているだろう。
 新人賞という賞の性格からすれば、できるだけ多くの人に与えることは悪いことではないが、今までの受賞作あるいは芥川賞という社会性から見て、評価は一定の水準を維持しなければならない。
 そういうことを思えば、果たして今回の受賞はW受賞とすべきほどの水準を2作とも持ち得たのだろうか。結論からいえば、又吉直樹氏の『火花』一作でよかったのではないか。

 総合誌「文藝春秋」に掲載された芥川賞選評を読むと、同じ回の直木賞選考の高揚感がないのが残念である。そのせいか、選評そのものも面白くないのだが。
 羽田圭介氏のこの作品は「介護問題」を扱った作品で、「死にたい」が口癖の祖父とならば楽に死なせてあげるのが孫の務めと日々自身の肉体改造に励む青年の物語。
 そうい青年もいないわけではないが、「介護問題」を扱うにしては、漫画的だ。その一方で、口では死にたいと言いつつも、こそこそと生きようとする老人はあまりに類型化されている。
 選考委員の一人高樹のぶ子氏はこの作品の「祖父と孫の接点は、煮詰まった鍋の底のように切実」と書いているが、私には何が「切実」なのか少しもわからない。
 奥泉光委員のいう「素朴に心を揺さぶるような展開や描写がもっと欲しい」という意見に与するものだ。

 しかし、このことにも注意しなければならないのは、「介護問題」を扱った小説だから「心が揺さぶられる」ことが必要だということではないことだ。
 物語の構成として、この作品にはそれが欠落しているということだ。そういう重要な欠点を持ちながら、奥泉委員は「受賞作に、との声には反対しなかった」のは、どういうことだろう。
 もう一度最初の問いに戻るのだが、果たして今回の芥川賞は2作品受賞の水準まで達していたのだろうか。
 こういう時に石原慎太郎氏が委員であれば、どう作品を評価しただろう。そのことが気になって仕方がない。
  
(2015/09/05 投稿)

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