プレゼント 書評こぼれ話

  昨日ニトリホールディングス社長の
  似鳥昭雄さんの「私の履歴書」、
  『運は創るもの』を
  紹介しましたが、
  似鳥昭雄さんの半生を見ていると
  社長というのも創るものなんだと
  思いました。
  青年期の似鳥昭雄さんは
  将来上場企業の社長になるなどとは
  誰も考えなかったと思います。
  それが今や飛ぶ鳥を落とすニトリの社長。
  社長になるには
  免許もいらなければ
  学歴もいらない。
  そこで、今日は
  蔵出し書評として
  並木忠男さんの『なぜ社長には免許がないのか』を
  紹介します。
  2003年に書いた書評ですから
  なんと12年前に書いた文章だということに
  我ながらびっくり、
  冒頭の書き出しなどは
  時代を感じますが、
  そこはお許し下さい。
  それでも全体的には
  今でも通用するのではないでしょうか。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  親父にもぶたれたことないのに!                   

 最近の日本経済を見ていると、不良債権処理にしろデフレ問題にしろ、何ひとつ解決できない状態が続いている。
 深刻な自信喪失症である。
 「失われた一〇年」は過去形でなく、現在進行形のまま無為に歳月を重ねている。「日出づる」とまで云われた日本経済は、どこで何を間違ってきたのだろう。

 戦後の日本経済を支えた活力は、焼き跡からの復興と豊かな生活への渇望だった。
 明治維新後の日本が西洋を模倣したように、戦後の日本はアメリカ的な豊かさを追及しようとした。戦後の多くのリーダーたちは、何もない原っぱのような世界からこうして出発した。
 彼らが持っていたものは豊かさという夢であり、多くの人々もその夢を唯一のものとして共有したといえる。
 しかし、やがて実現した豊かさは沸点を通過したあと、線香花火のように、多くの光となって飛び散っていった。
 個の多様化である。
 そして、線香花火が燃え尽きるように、バブルという火の玉がぽとりと落ちたのだ。
 日本経済は、飛び散った個の多様化にいつまでも対応できないでいる。

 そういった日本経済不振の原因は、緊張感のないノン・プロフェッショナルな経営だと著者の並木氏は云う。
 バブル崩壊後、多くの社長が報道カメラの前で頭を下げ、そして涙を流した。
 彼らはその時、経営のプロとして、涙を流したのだろうか。
 不祥事を起こした企業の経営者が閉まるエレベーターの中で「私も寝ていないのだ」と報道機関を振り切った言葉は、人気アニメ「機動戦士ガンダム」の中で出撃を拒んだ主人公のアムロが上官に殴られて口にした「二度もぶった! 親父にもぶたれたことないのに!」というせりふに似て、コミカルでさえあった。
 あの時のアムロに戦いの意味がわかっていなかったように、あの経営者も経営の意味がわかっていなかったのではないか。

 「この国はいま、変化に挑戦する気概と進取の気風が強く求められているはずである」。
 並木氏はこの本の最後に、多くの経営者と読み手に向かって、熱いメッセージとしてこう書いた。
 私からは、ガンダム名言集からこんなアムロの言葉を送りたい。
 「しっかりしろ! 君は強い女の子じゃないか!」(もちろん、女の子は経営者に読み替えて下さい)
  
(2003/03/09 投稿)

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