プレゼント 書評こぼれ話

  昨日山田太一さんの
  『夕暮れの時間に』という本を
  紹介しましたが
  山田太一さんは脚本家。
  いわゆるシナリオライターです。
  シナリオは映像化されて初めて生きてきます。
  シナリオを読むということもありますし、
  実際シナリオ集もないわけではありません。
  でも、有名なライターにならないと
  シナリオ本としても成立しません。
  今日はマンガ原作者志望者への本。
  大石賢一さんの『マンガ原作 感動をつくる法則』。
  マンガ原作もそれ自体が本になることは
  シナリオよりも少ない。
  それでもマンガ原作者になりたいという
  人は多くいます。
  この本の中の一節。

    キーボード上で指をチャカチャカ動かすだけで、
    自分の人生が変わる作品ができると思ったらちょっと安易です。

  深い言葉です。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  天の目、地の目                   

 マンガ原作といえば梶原一騎。なんていうと、古いといわれるかも。
 けれど、昭和40年代、梶原一騎原作の多くのマンガに心躍らせ、感動で涙を流した若者は大勢いただろう。『巨人の星』『あしたのジョー』『タイガーマスク』、枚挙にいとまがない。
 もしかしたら、あの当時の子どもたちは梶原一騎DNAをもって育っているのではないだろうか。
 それほどマンガの持つ力が大きい。
 特に青少年期にマンガに触れる機会は多いから、マンガ原作者やマンガ家は大きな影響を与える創作者といえる。
 さらにマンガの裾野が単に雑誌媒体だけでなくマンガアプリといったインターネットの世界にも広がっているから、マンガ家だけでなく、マンガ原作者になりたいという人も多いにちがいない。

 この本は、マンガ原作者でマンガ原作に関する多くの著作をもつ著者が「公募ガイド」という雑誌に連載したマンガ原作者志望の人への書き方指導書である。
 「公募ガイド」という雑誌は小説だけでなくさまざまなコンクールの案内を掲載している公募雑誌で、マンガ原作者になりたいという人にとっても、どのような公募があるのか調べるのに欠かせないのだろう。
 もちろん、今は公開講座も多いから、マンガ原作者のための実作講座に参加する人も多いはずだ。
 そういう読者に、著者は丁寧に「キャラクター創作の秘訣」や「感動のつくり方の法則」を指導する。
 マンガ原作もシナリオ同様に漫画化にあたっての「設計図」である。
 マンガ原作だけでは作品として成立しないのも、シナリオと似ている。
 『あしたのジョー』の感動は梶原一騎の原作だけでは成立しない。ちばてつやのマンガがあって初めて名作になったのだ。もしかしたら、ちばてつやのマンガでなかったら、歴史に残るマンガにはなりえなかったかもしれない。

 実作のための入門書であるから、教えられる点も多い。
 ひとつ挙げれば、「書くときは「天の目」(発案)、読み返すときは「地の目」(検証)」。実作者がつい陥る傑作という誤解を解く方法といっていい。
 書きたいという人は、まずは他人の批評に謙虚でないといけない。
 他人の目こそ「地の目」に近いような気がする。
  
(2015/10/9 投稿)

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