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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は日曜なのに、
  土用の丑の日
  うなぎの食べる日なのに、
  『鯛ヤキの丸かじり』(東海林さだお)。
  このちょっとしたズレがなんともいえません。
  土用の丑にうなぎを食べるようになった謂れは、
  巷間よく言われるように、平賀源内さんが発案したとか。
  丑の日に「う」のつくものを食べると夏バテしないという伝承から、
  源内さんは考えたらしい。
  でも、そうしたら「うどん」でもよかった。
  「うり」でもよかった。
  あと、「うま煮丼」でもよかった。「うぐいす餅」でもいい。
  でも、源内さんに相談をもちかけたのが、鰻屋さんだった。
  「うどん」も「うり」も「うま煮丼」も「うぐいす餅」も、
  遅れをとってしまった。
  「うどん」なんか、かなり惜しい。
  夏場に冷たいうどんは、おいしいですからね。
  でも、栄養少なそう。
  と、いうことで、やっぱり鰻がいい。
  こうこってり油ののった分厚いうな重はいいですね。
  食べたい。
  ここはぐっとこらえて、
  今日は『鯛ヤキの丸かじり』で辛抱して下さい。
  
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鯛ヤキの丸かじり (文春文庫)鯛ヤキの丸かじり (文春文庫)
(1997/11)
東海林 さだお

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sai.wingpen  「丸かじり」TPO                   矢印 bk1書評ページへ

 今回は東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズのTPOについて考察してみたいと思います。
 ところで、このTPOですが、けっして、ところてん、パパイア、オクラの頭文字ではございません。
 TはTime(時)、PはPlace(場所)、OはOccasion(場合)の、正統TPOでございます。
 えへん。
 まず一般的なのは、電車の中。
 あそこはいい。読書には最適の場所です。
 何がいいかというと、ごとん、ごとん、という揺れがいい。
 昔の中国の人で欧陽州というえらいお方の「三上の説」というのがあって、文章を考えるのにもっともいい場所を三つ教えてくれている。
 そのひとつが、馬の上。現代でいえば、電車。
 だから、電車は中国三千年の歴史ある、由緒正しき場所。
 ありがたい。
 ただ最近の電車はかなり危険地帯で、「丸かじり」を読みながら、クスクス笑いでもしようものなら、痴漢冤罪事件に発展しないとも限らない。
 これは困る。

 では、「山上の説」の残りの二つはどうか。
 まず、枕(ちん)上。誰ですか、本当に枕の上に立って読んでいる人は。これは例え。寝床ということ。これはいい。
 しかし、ここにも問題はある。「丸かじり」を途中でやめようなんて、なかなかできない。となれば、あなたの睡眠は保証されない。次の朝には、目の下にクマができている。大きな羆(ひぐま)が欠伸している。
 これも困る。
 まだ、ある。厠(し)上。うんうん。これはいい。そういえば、あの大便のことを「うんこ」というのは、ここからきている(わけがない)。
 しかし、「丸かじり」でトイレを独占していいものか。おなかが特急電車の人がトイレの前で、うんうん、うなっている悲惨な状況を想像してみて下さい。そういえば、あの大便のことを「うんこ」というのは、ここからきている(わけもない)。
 これも困る。

 そうだ、マックはどうだろう。パソコンじゃあないですよ。ハンバーガーのお店。
 吉野家で牛丼食べながら「丸かじり」はつらいけれど、マックなら十分考えられる。
 ただ、ポテトをかじりながら夢中になっていると、あらら、指先がてかてか状態に進化する(こういうのは退化という方がいいのかしら)。おまけに、ビッグマックも食べようものなら、バンズの間からあふれだす、どろどろソースとかレタスに、どう対処すればいいのか。
 これも困る。

 いっそのこと、お風呂はどうだろう。
 健康によさそうだし、第一きれい。
 「丸かじり」で食を満喫し、お風呂で美を追求する。
 ところがである。
 「お風呂で溺死なんておかしいですねよ、警部」
 「そうでもないさ。ほら、東海林さだおの『鯛ヤキの丸かじり』がお風呂に浮かんでいる」
 「じゃあ、犯人はこの本でガツンと殴打した?」
 「甘いな、君は。きっと被害者は笑いすぎて、その勢いで溺死したんだ。謎は解けた」
 という、お風呂場溺死事件につながらないともいえない。
 これも大いに困る。
  
(2009/07/19 投稿)
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