プレゼント 書評こぼれ話

  今年の7月から
  第23期JPIC読書アドバイザー養成講座
  受講しています。
  全8回のスクーリングの内
  すでに6回まで終わりました。
  あと2回は
  年明けの2月。
  その養成講座の塾長?みたいなポジションにいるのが
  今日紹介する『本の世紀』で
  解題を書いている永江朗さん。
  永江朗さんは毎回なんらかの形で講義をしたり、
  各回の課題提出には
  全員の評価までしてもらっています。
  そもそも
  「JPIC読書アドバイザー」とは何かというと
  本と人を結びつける役割を担う人ということで
  受講生100人の中には
  図書館司書や書店員さん、出版社の人といった
  すでに本の仕事をされている方や
  本の読み聞かせをされている方など
  さまざまです。
  私は、さしずめ、このブログで
  本と人をつないでいることに
  なるのかしら。
  今日から4日間、
  本のことを書いた本を紹介していきます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  本のイノベーションを考える                   

 岩波書店は2013年に創業100年を迎えた。
 この本はその年の1月から8月まで長野県の地方紙「信濃毎日新聞」に連載された記事がもとになって出来ている。
 何故、「信濃毎日新聞」で岩波書店なのか。
 実は岩波書店の創業者岩波茂雄が長野県諏訪市の出身なのだ。信州の地は岩波だけでなく筑摩書房の創業者古田晁やみすず書房の小尾俊人といった出版人を輩出した、文化度の高いところだ。
 タイトルにあるように、この本はけっして岩波書店の社史ということではなく、「どんな時代のもとでどんな出版をし、それが時代にどんな影響をもたらしたかのか」という視点で描かれている。つまり、「出版の100年」を俯瞰している。
 そのことによって、現在の出版不況の姿が見えてくるし、電子書籍から続く明日の出版界を窺うことができるかもしれない、そんな作品なのだ。

 新聞に連載されていたこともあって、読みやすいのがいい。専門的な観点から出版界を論じるのもいいが、より多くの人に理解してもらうことが重要だ。
 それと岩波書店にかかる25回の連載記事のあとに、「コラム」として現在の出版事情がはさまっているのもいい。例えば、新刊の出版点数が何故増え続けるのかといったことや売れている新書の傾向といったものまである。
 ここを読めば、おおよそ現在の出版事情が把握できるのではないだろうか。

 そして、永江朗氏による、長編の「解題」がいい。
 「岩波書店とイノベーション」と題された「解題」で、岩波書店が今も隆々と生き残った点を永江氏はそこに「イノベーション」があったからだと指摘している。
 「イノベーション」とは「新機軸」とか「革新」とかに訳されるが、岩波書店の場合、それは何であったか。
 永江氏は、「岩波文庫」「岩波新書」「広辞苑」が「イノベーション」そのものであったという。
 文庫という形態は「岩波文庫」が最初ではないが、それを根付かせたのはまちがいなく「岩波文庫」だろう。
 永江氏は文庫や新書に掲げられているマニュフェスト(文庫や新書の巻末に掲載されている)を読み解くことで、時代時代の岩波書店の出版への姿勢を見ていく。

 新しい「イノベーション」が出版界に起こるかどうかが、新しい波になるのだろう。
  
(2015/11/25 投稿)

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