プレゼント 書評こぼれ話

  昨日につづいて
  やなせたかしさんの評伝を紹介します。
  今日は
  小手鞠るいさんの『優しいライオン』。
  この本の中には
  やなせたかしさんの「愛する歌」から
  たくさんの詩が紹介されています。
  私もその詩集のことは知っていましたし
  雑誌「詩とメルヘン」も見かけてことがあります。
  けれども、当時、高校生から大学生の頃でしょうか
  やなせたかしさんの書く詩は
  とても甘っちょろい作品に思えて
  その前を通り過ぎていました。
  けれど、小手鞠るいさんはちがった。
  「詩とメルヘン」に投稿し、採用されることで
  人生が変わっていきます。
  同じものが与えられても
  それを生かす人とそうでない人がいる。
  人生とは
  そういうものかもしれません。
  この本の中で書けなくなく小手鞠るいさんを励まして
  やなせたかしさんは
  こんなことを話しています。

    積み重ねていくことだよ。
    とにかく積み重ねていくこと。
    つづけていくことが大切だ。
    ・・・・・・・・・・・
    路肩でずっと咲きつづけることのできる人は
    なかなかいない。

  いい言葉です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  やなせたかしさん、ありがとう                   

 2013年10月に亡くなった、漫画家やなせたかしさんは「アンパンマン」の作者として有名だが、それ以外にもさまざまな顔を持っている。
 絵本『やさしいライオン』(1975年)も代表作のひとつだ。それと同名のタイトル(本作では「優しい」と漢字表記になっているが)がついたこの本の作者小説家の小手鞠るいさんも、もしかしたらやなせさんが生みだした作品のひとつかもしれないと思いたくなるほど、やなせさんと小手鞠さんの関係は深い。
 もしやなせさんがいなかったら、小説家小手鞠るいは誕生していなかったのではないか。

 やなせさんの偉業の中に、雑誌「詩とメルヘン」の編集長として顔がある。
 「詩とメルヘン」が創刊されたのは1973年4月。「無名の人の詩」を職業イラストレーターが描くイラストとともに掲載するという斬新な方針は多くの支持を集め、30年以上続くことになる。
 その多くをやなせさんが担った。
 その頃やなせさんには詩人という顔があった。詩集『愛する歌』が売れていた。甘い抒情詩とイラスト。1970年代という時代にあって、それは稀有な存在だった。
 しかし、やなせさんの詩に感銘を受けた若者も多かった。詩集『愛する歌』は版を重ねる。
 小手鞠さんもその一人だった。
 「詩とメルヘン」に投稿し、採用され、やがてやなせさんとの交流も生まれていく。

 ここから始まった小手鞠さんも名前が売れ出すまで紆余曲折があった。その端々で彼女を支え、勇気の花を咲かせてくれたのが、やなせさんだった。
 この本は小手鞠さんのやなせさんとの「思い出エッセイ」だ。
 やなせさんのたくさんの詩や「詩とメルヘン」に書き続けたやなせさんの「編集前記」とともに、その人生をたどっていく。
 『アンパンマン』だけでは見えない、やなせたかし像が浮かびあがってくる。
 こういう人に巡り合った小手鞠さんはなんと幸福だったろう。
 しかし、実は小手鞠さんだけでなく、やなせさんが亡くなった今も、私たちはやなせさんの優しさにふれることができる。
 なぜなら、やなせさんが遺してくれたたくさんの作品があるのだから。
  
(2015/11/21 投稿)

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