プレゼント 書評こぼれ話

  今日あたりが
  冬のボーナスの支給だろうか。
  「年末賞与」という冬の季語もあるくらい。

     懐にボーナスありて談笑す     日野 草城

  ここ何年か会社の業績好調で
  ボーナスもたくさんでるところも多いようですが
  一方でボーナスなんて
  遠い出来事という人もいることでしょう。
  特に業績の悪い会社では
  何割カットというのは常識のようになっています。
  私もかつてそういう経験があります。
  かなり辛い。
  辛いけれど、がまんしないと
  会社が持たない。
  今日紹介する
  駒井俊雄さんの、長いタイトルの本、
  『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』も
  そんな業績厳しいところから
  改善していく姿を描いています。
  実話に基づいているということですが
  物語風になっています。
  せっかくだから
  ノンフィクションで描いてもよかったのにと
  思いましたが。
  この本は
  いつもの書評サイト「本が好き!」から
  献本頂きました。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  時代の証言者たれ                   

 気がつけば周りの光景が変わっていることが時にある。
そのひとつが魔法瓶の普及だろう。
 会社に魔法瓶を持っていくことなどは、少なくとも20年くらい前にはなかったのではないか。それが最近では若いOLから定年間近の管理職まで実に多くの人がマイボトルを持って通勤している光景を見る。あれはいつぐらいから日常化されたのだろうか。
 それに合わせて、「サーモス」という名前を耳にするようになった。
 この本は今や世界一のシェアを誇る「サーモス」が「廃業寸前」からはいあがっていく物語をフィクションにして描いている。

 家庭用ステンレス魔法瓶を最初に商品化したのは、日本酸素という会社だった。この会社の名前は知らない人も多いだろうが、大手の工業用ガスメーカーとして有名であった。残念ながら、そのことが消費者にまで届くことはなかった。
 つまり、最初に商品化しても流通チャネルを持っていなかったことに近い。そのために日本国内では常に3位。魔法瓶部門は赤字事業部となって、身売りまで検討されるはめになる。
 そんな時に出来ない営業部員であった「ぼく」や同期の白鳥、後輩の長宗我部ら数人が自ら「戦略会議」を立ち上げることになる。
 「戦略」と「戦術」の違いさえよくわからんかったメンバーは試行錯誤しながらも、自らの「あるべき姿」を見つけ、現状を把握し、他社との差別化を図っていく。
 時に営業部員同士がぶつかり合い、時に技術部のメンバーからあざけりを受ける。それでも「ぼく」たちは、前に進んでいく。
 少しずつ彼らが販売戦略に目覚めていく姿は感動的である。一歩ずつ彼らがシェア1、2位の牙城に迫っていく。

 会社は時に好調であり、時に不調であるものだ。
 倒産や身売りともなれば、多くの若者が流出していく。
 平穏な時であれば、誰もが経験することも、危機的な状況は人生の中でもあまり経験することはない。そういう時こそ踏ん張れるかどうか。何故なら、変革の時代に立ち会えるかどうかは重要だからだ。
 この物語に登場した彼らこそ、時代の証言者そのものなのだ。
  
(2015/12/10 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/2672-b3a097e5