プレゼント 書評こぼれ話

  先週の土曜日(1月9日)から
  さいたま市民大学の受講を
  始めました。
  講義名は「北沢楽天からアニメまで」、
  全8回のコースです。
  北沢楽天というのは日本の近代漫画の祖といわれている漫画家。
  埼玉の出身なんですね。
  楽天が住んだ住居が
  現在漫画会館になっています。
  そこが講座の会場。
  1回めは漫画評論で有名な
  清水勲先生。
  「漫画の歴史」を勉強しました。
  90分の授業でしたが
  中身の濃い内容でした。
  この講座ではこのあと
  あの有名なトキワ荘の話があったり
  「ドラえもん」のアニメ映画の話があったり
  楽しみ。
  ということで、
  今日は漫画を紹介します。
  石ノ森章太郎さんの『ジュン』。
  テキストは「石ノ森章太郎萬画大全集」から。
  清水勲先生は漫画の特長を
  コマと吹き出しといってましたが
  この『ジュン』はその二つを破壊しようとしています。
  その点でも面白い作品です。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  マンガは詩も描ける                   

 「仮面ライダー」が誕生して45年だという。
 1971年に生まれたヒーローは半世紀近く多くの人たちを熱狂させてきたが、生みの親たる原作者は漫画家石ノ森章太郎である。
 石ノ森章太郎は平成10年(1998年)60歳の若さで亡くなっている。
 石ノ森にしても手塚治虫にしても早逝なのは、多忙ということもあったのではないだろうか。
 石ノ森の没後も新たなライダーが誕生するほどの「仮面ライダー」の原型だけでなく、「サイボーク009」といったSFもの、「佐武と市捕物控」といった時代もの、あるいは「マンガ日本経済入門」といった大人向けの経済マンガというように、石ノ森は社会のさまざまなものをマンガとして表現してきた。
 石ノ森は自身のマンガを「萬画」と評し、没後刊行された全集は「石ノ森章太郎萬画大全集」となっている。まさに「萬」の字がふさわしい、多彩な表現を実現した人であった。

 石ノ森のマンガの特長が詩的性にあるのではないだろうか。
 詩的であることで想像性がぐんと広がる。それを突き詰めた作品が「ジュン」である。
 石ノ森自身、この作品で詩を書きたかったと書いている。あるいは、「ムードだけのまんが」という表現もしている。それは試みであり、石ノ森自身それが成功するかどうかは未知数だったのではないだろうか。
 「ジュン」は1967年から1969年まで漫画雑誌「COM」に連載され、その後単発での掲載もあり、1971年まで同誌に載った。
 今ではほとんどその全貌を目にすることはできないが、「石ノ森章太郎萬画大全集」では2巻ものとして読むことができる。(ここにはその後に描かれた数篇の作品も収められている)

 「ジュン」にはほとんど台詞がない。マンガ特有のコマワリも縦横に走り、時にはそれすら越えて絵が描かれることもある。
 そういう冒険が出来たのも、「COM」という漫画雑誌の性格もあっただろう。おそらく他の商業漫画誌では実現できなかったのではないだろうか。
 それほどに「ジュン」は特異である。しかし、この世界があればこそ、石ノ森の作画は飛躍的に伸びたのではないか。
 そういう点でも、この作品が石ノ森に占めるウエイトは大きいと、私は思っている。
  
(2016/01/13 投稿)

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