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プレゼント 書評こぼれ話

    きみたち若い世代は人生の出発点に立っています。きみたちの未来は
    大きな可能性に満ち、陽春の日のようにひかり輝いています。勉学に体
    力づくりに、明るくはつらつとした日々を送っていることでしょう。


  これは、岩波ジュニア新書の発足に際して書かれた文章の、
  冒頭の一節です。
  これが書かれてから、今年でちょうど30年になります。
  今でもこれは岩波ジュニア新書の最後のページに掲載されています。
  私は難しいことに出会うと、子ども向けや青年向けに書かれた本に
  立ち戻ることがよくあります。
  それらの本が若い世代向けだといって、けっして不十分ではありません。
  どころか、平易な文章で書かれているので、
  ずっとわかりやすい。
  そういう足がかりを、それらの本からもらってきました。
  創刊30年を記念してつくった、岩波ジュニア新書のキャッチフレーズは、

    「これからも、キホン

  です。
  おとなの私としても、岩波ジュニア新書のこれからを楽しみにしています。

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図書館で出会える100冊 (岩波ジュニア新書)図書館で出会える100冊 (岩波ジュニア新書)
(2009/06)
田中 共子

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sai.wingpen  本と出会える幸福                     矢印 bk1書評ページへ

 長年図書館に勤務されてきた著者が、中、高校生向けに書いたブックガイドですが、大人が読んでも十分楽しめます。
 「図書館で出会える」と書名にあるように、ここで紹介されている本は新刊ばかりではなく、すでに絶版になっているものや少し前に発行されたものもありますから、本屋さんでもなかなか出会えないものもあります。あるいは図書館でも開架式書庫には並んでいないかもしれません。興味がわけば、図書館の係りの人にお願いすれば、保管庫や他の図書館から取り出してもらえます。
 新しい本ばかりや話題の本ばかり並んでいるのが図書館ではありません。
 本の深い森で、未知の本と出会えるのも図書館の楽しみです。
 この本の「はじめに」で著者は「おもしろい本との出会い方」について書いています。
 「おもしろい」というのは単に「愉快」ということや漫画のように「心ときめく」ことばかりを指すのではありません。
 「おもしろい」というなかには、難しい政治の話や悲惨な戦争の話、あるいは複雑な経済の話なども含まれます。この本のなかでも、そういう本が何冊か紹介されています。
 でも、どうしてそういう本が「おもしろい」のでしょう。
 「おもしろい」というのは知識の幅を増やすことだからです。
 誰も教えてくれなかった世界を知ることは、「つまらない」のではなく、とても「おもしろい」ことなのです。
 本を読む、ということはそういう「おもしろさ」に出会うことです。だから、「おもしろさ」を知った人は次から次へと新しい「おもしろさ」を求めます。
 そういう場所として、図書館もあるのです。

 著者は「おもしろい本との出会い方」として、図書館ばかりを勧めてはいません。新聞や雑誌の書評欄、出版社の広告、インターネットの活用、「読書案内」等で出会えることを書いています。
 興味があることや好きなことには私たちはたくさんのアンテナを立てます。本の世界も、それと同じことです。
 最初は本書のような本を読んで「おもしろい本」に出会うといいと思います。でも、本が「おもしろい」ことに気がついた人は、自然とたくさんのアンテナが自分に立ち始めます。その時、たくさんの本が図書館にある理由もわかると思います。

 この本の最後に著者はこう書いています。
 「これから出会うべき本が、この先でみなさんを待っています」
 なんと、すてきな言葉でしょう。
  
(2009/07/25 投稿)
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