プレゼント 書評こぼれ話

  銀座並木座
  市川崑作品といえば
  『股旅』という映画がよく上映されていました。
  萩原健一さんが主役の
  青春映画。
  ということで、
  今日は春日太一さんの
  『市川崑と『犬神家の一族』』を紹介します。
  実は映画「犬神家の一族」を
  きちんと観たことがないんですね。
  そういう意味では
  いい市川崑ファンではありません。
  でも、この本を読んで
  市川崑をもっと観てみたいと
  思いましたが。
  市川崑といえば奥さんの脚本家和田夏十が有名。
  その和田夏十は脚色には自信を
  持っていたそうです。
  彼女のこんな言葉が
  この本でも紹介されています。
  「脚色は原作をバラバラに分解してそれを又組立直すので、
  読書などよりは数段原作に肉迫出来ます

  きっといい読者でもあったのでしょう。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  市川崑はどんな監督だったのか                   

 昨年(2015年)は映画監督市川崑の生誕100年だった。
 それに関連してWOWOWが市川崑作品を一挙放映、それの解説をベースにこの本はできている。
 市川崑作品といえば、本書のタイトルになった角川映画『犬神家の一族』を思い浮かべる人が多いだろうが、市川崑の評価はそれより以前の『炎上』(三島由紀夫の『金閣寺』が原作)、『ビルマの竪琴』といった文芸作品の方が高い。
 それになんといっても、1964年の東京オリンピックの記録映画『東京オリンピック』。今見てもオリンピックの高揚感があまり伝わってこない作品、けれどそれもありかと思ってしまう不思議な出来上がりで、当時多方面から非難を浴びることになる。
 以降、低迷期が続いたが、TVシリーズ『木枯らし紋次郎』で、市川崑は颯爽と帰ってくる。その頃撮った作品に『股旅』がある。暗い映像の中に描かれる青春像。これはよく観た。
 そして、1976年の『犬神家の一族』。その後の横溝正史作品で市川崑は巨匠の名をほしいままにする。

 時代劇や映画評論家の著者の春日太一氏は『犬神家の一族』のあと『細雪』を分岐点に市川崑は迷走していったという。
 これから市川崑作品を観てみようという読者にとって、この本の第一章「市川崑の監督人生」を読めば、観るべき映画が選択できるはず。
 そんな市川崑とはどんな映画監督であったのか。
 春日氏は「「日本的ではない技法」で「日本」を描こうとした監督」としている。
 私にとっては「スタイリッシュ」な監督というイメージが強いのは、『木枯らし紋次郎』の印象が強いかもしれない。

 市川崑を語るに忘れてはならないのが、その妻で脚本家だった和田夏十の存在だ。初期の文芸作品の高い評価は和田夏十の功績が大きい。市川崑の作品を観るひとつの基準に、この和田夏十の脚本をさがすのもいいかもしれない。
 もちろん、本書では市川崑の業績だけでなく、今なお観られ続ける『犬神家の一族』の詳細な分析がある。何故金田一耕助役を石坂浩二が演じたのかといった細かい内容は興味深い。こういう分析を読んで映画を観れば、さらに面白いのではないか。
あわせて、その石坂浩二へのインタビューも併載されている。
  
(2016/01/27 投稿)

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