プレゼント 書評こぼれ話

  今日はマンガです。
  岡野雄一さんの『みつえばあちゃんとボク』。
  岡野雄一さんといえば
  『ペコロスの母に会いに行く』で多くの支持を集めました。
  特に日々介護に追われている読者の共感を
  得ました。
  厳しいけれど
  ほんわかとした絵のタッチがよかったのでしょう。
  マンガだから
  よかったといえます。
  今やマンガはどんな世界でも描けます。
  その点では
  文学よりもうんと世界が広がっているように思います。
  マンガを描く人が増えた分、
  文学を目指す人が減っているのではないかと
  心配になるくらいです。
  しかもクールジャパンでもてはやされていくと
  活字の文化が先細りしないでしょうか。
  岡野雄一さんのマンガの話ではなく
  マンガ全般、
  あるいは日本の文化全般の話になりました。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  お孫さんが登場します                   

 岡野雄一さんが描いた『ペコロスの母に会いに行く』は、マンガながら25万部を超えるベストセラーになり、映画化ドラマ化と社会現象にもなった作品です。
 ペコロスというのは西洋玉ねぎに似た自身の形状を揶揄したものですが、ボケ始めた母親との交流が介護に苦心する多くの人たちの心にズシリと響いたといえます。
 それから『ペコロスの母の玉手箱』ではその母親の死を描いています。
 続くこの作品では岡野氏の息子さん(つまりは孫)が登場し、また違った顔を見せる母親を描いています。
 「みつえばあちゃん」というのは、岡野さんのお母さん。
 「ボク」は、岡野さんの息子さん、みつえばあちゃんの孫です。

 この作品に登場するキャラクターは前の2作と同じです。
 みつえばあちゃんの連れ合い(岡野さんのお父さんです)も登場します。
 もともと西日本新聞長崎県版で2012年から連載されていたそうですから、『ペコロスの母に会いに行く』が売れたということと少し関係しているかもしれません。
 一ページに三コマのマンガですから、新聞マンガとしては、この作品も読みやすかったと思います。

 岡野さんのマンガの特長で目立つのは、俯瞰の視線です。
 それはこの作品でも多く描かれています。
 空から地上を見つめている視点。
 長崎にとんびの生息がどれくらいあるのかわかりませんが、その視点で描くことで人間の世界ではない、神の視線のようなものを感じます。
 『ペコロスの母に会いに行く』でもそれは感じましたが、この作品でも岡野さんは描いています。
 おそらくそれは岡野さんが意識している視線だと思います。
 お母さんのボケとのこともあるかもしれません。
 つまりは、この世界のことがらが色々なことがあったとしても、もっと大きな人の手にゆだねられているということを、岡野さんは描きたかったのではないでしょうか。

 この作品では「ボク」という孫を登場させることで、小さな子供の視点からみたボケていく母親を冷静に見ている作者、岡野さんが確保されています。
 こんなおばあちゃんと少しでも時間を共有できた「ボク」は幸せだったのではないでしょうか。
  
(2016/02/18 投稿)

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