プレゼント 書評こぼれ話

  今日は二十四節気のひとつ、
  雨水(うすい)
  降る雪が雨に変わって
  積もっていた雪が水へと変わる、
  そんな意味があるようです。

    雪とけて村一ぱいの子ども哉      小林 一茶

  一茶らしい句ですね。
  今日紹介するのは
  水木しげるさんの
  『カランコロン漂泊記』。
  カランコロンといえば
  水木しげるさんの代表作「ゲゲゲの鬼太郎」の
  ゲタの音。
  水木しげるさんは昨年11月に93歳で亡くなりましたが
  これから先も
  カランコロンとゲタの音をたてて
  この世を楽しませてもらいたいものです。
  小林一茶の俳句に通じるような気がします。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  水木漫画よ、永遠に                   

 昨年(2015年)11月30日に93歳で亡くなった漫画家水木しげるさんを追悼するコーナーが多くの書店で展開された。
 エッセイから漫画まで、その活動の旺盛なことを示すように数多くの本が並んだが、その中から選んだのが、本書である。
 その理由は、漫画である。
 この本は「少年のころの思い出」「兵隊のころの思い出」「忘れられない人々」「カランコロン幸福論」という四つの章に分かれていて、全体でいえば水木しげるという人物を知るにはわかりやすい一冊にできていて、しかもエッセイに加え、「コミックエッセイ」と題された漫画が載っている。
 水木さんの人生はNHKの朝の連続テレビ小説になったように波乱万丈であるが、漫画家だということを忘れてはいけない。
 紙芝居から始まったそのルーツは手塚治虫氏が王道をなしたストーリー漫画を踏襲しながらもその絵のタッチは大きく違う。
 水木さんの代表作ともいえる「ゲゲゲの鬼太郎」にしても、アニメの鬼太郎はビニール人形のようにかわいいが、もともとはもっとオドロオドロしい妖怪漫画だった。
 水木漫画は手塚漫画と両極をなす存在だったことは間違いない。

 93歳まで生きた水木さんだから、幸福論であったり人生論であったり傾聴に値いすることは間違いはない。しかし、水木さんの魅力はなんといっても漫画である。
 この本はその点をしっかり押さえていて、半分はそれぞれの時代を描く漫画にページを割いている。
 「カランコロン幸福論」に掲載されている漫画には、水木さんの愛してやまない「ねずみ男」や「死神」が登場してくる。
 時代とともにいつしか彼らは人気キャラクターになったが、水木さんにとってはいつも自身のそばにいて、悪だくみを吹き込んだり、死を誘う存在であったのだろう。
 そのあたりは、漫画を読むしか理解できないのではないだろうか。

 もちろんエッセイだっておろそかにはできない。
 「人間なんていつ死ぬか分からんもんだ。そう思うと、毎日の『小さな幸福』といったようなものは、案外大切なものなんだ」
 なかなかこういう文章に出会えない。
  
(2016/02/19 投稿)

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