相模国(神奈川県)の三浦半島は、まことに小さい。

 今年没後20年になる
 作家司馬遼太郎の『街道をゆく』42巻めの「三浦半島記」の
 書き出しである。
 この作品が連載誌だった「週刊朝日」に連載されたのは
 1995年3月から11月のことだった。
 このあと、『街道をゆく』は
 1996年に連載を始めた「濃尾参州記」をもって中断する。
 司馬遼太郎は1996年2月12日に亡くなる。
 それから、20年。
 「三浦半島記」で武士のことを思い、
 明治維新の当時に思いを馳せた司馬遼太郎と違い、
 まぐろ料理を楽しみに
 「まことに小さい」三浦半島の小さな旅に出た。

 最初に向かったのは
 横須賀を下った先、
 半島の先端に立つ観音埼灯台である。
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 この灯台は明治元年11月1日にできた。
 日本最古の洋式灯台である。
 当初はレンガ造りだったが、
 もちろん今は違う。
 それでも、関東大震災後の大正14年に建てられたものだから
 古い。
 急な階段をつたって上ることができる。
 ここから房総半島は見える。
 実に、狭い海域だということが実感できる。
 そして、この海が幕末期江戸の玄関口であったことが
 よくわかる。
 1853年ペリーが黒船で久里浜(のちに浦賀に誘導)に来た時
 幕府は驚いたに違いない。
 玄関まで来て、「OPEN !」なんて言われたら
 時の幕府でなくとも慌てるだろう。
 それほどに狭い。
 どうしてペリーが浦賀に来たのか
 観音埼の灯台から海を見れば
 納得する。
 この海は狭くて小さな玄関なのだ。

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 灯台のそばに
 高浜虚子の句碑があった。

    霧いかに深くとも嵐強くとも

 高浜虚子は昭和23年秋にこの地を訪れたそうだ。

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 碑といえば
 観音埼公園の中に
 詩人の西脇順三郎の文学碑がたっている。

   燈台へ行く道
   まだ夏が終らない

 で始まる「燈台へ行く道」という詩が刻まれている。
 さしずめ私たちは「燈台へ行く道/まだ冬が終らない」だろうか。
 観音埼は詩人にも俳人にも愛される
 ところだったんだ。
 観音埼で思いのほか
 ゆっくりした。
 司馬遼太郎の思索の旅のように
 上品ではない。
 まぐろが待っている。

 三崎港そばにある「三崎館本館」で食事。
 ここは明治41年創業で
 旅館でもあって宿泊もできる。
 ここでランチの限定メニューを食べた。
 マグロのハツ(心臓)を時雨煮にした料理は絶品。
 マグロの尾の身の天ぷらもいい。
 心臓も尾も食べたことは、
 もちろんない。

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 人生、長く生きるといいことがある。

 続いては、城ケ島に向かう。は
 城島といえばTOKIOのリーダー、
 城ケ島といえば、「雨はふるふる」。
 これは北原白秋作詞の「城ケ島の雨」という歌の出だし。
 私も友人も覚えているのは、ここだけ。
 せっかくなので、もう少し。

   雨はふるふる 城ケ島の磯に
   利久鼠の 雨がふる
   雨は真珠か 夜明けの霧か
   それとも私の 忍び泣き

 うーむ、覚えてない。
 確か、「鼠の雨」ってなんだ? みたいな。
 「利久鼠」というのは色のこと。
 緑がかった灰色。
 この日天気はよかったので
 「鼠の雨」は降りませんでした。
 そのかわり、風が強くて
 海岸には強い波が打つ寄せていました。
 それでも、釣りが好きな人は多くて
 「釣りバカ日誌」のハマちゃんみたいな人が
 たくさんいました。
 最後に訪れたのは
 馬の背洞門

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 自然の力のすごさを感じます。
 ここは城ケ島公園から少し歩きます。
 案内板も小さいので
 わかりにくいから気をつけて下さい。
 まさに、2時間サスペンスドラマのラストシーンに出てくるような
 景観。
 犯人は女性がいいかな。
 「どうして殺したんだ」
 「愛していたのよ」
 なんて。
 「鼠の雨」が似合いそうです、やっぱり。

 日が影ってきました。
 三崎口駅のそばの
 満開の河津桜をみて、

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 三浦半島の小さな旅を
 終わりにしましょう。

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