プレゼント 書評こぼれ話

  今日から三連休という人も
  多いでしょうね。
  ちょっと桜には早いのが残念。
  早ければ
  来週にでもお花見ができるのでは。
  今日紹介するのは
  R-18の官能短編小説集、
  おなじみ花房観音さんの『指人形』。
  最近の花房観音さんの作品の中では
  官能度が高い作品です。
  花房観音さんといえば
  京都のイメージがありますが
  桜といえば京都を思い浮かべる人も
  多いですし、
  今本屋さんの雑誌コーナーには
  京都への旅行関連の雑誌も
  たくさん出ています。
  この春、
  京都に行かれる人は
  花房観音さんの作品を読んでから出かけると
  また印象が違いますよ、きっと。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  秘すれば官能                   

 花房観音の官能短編集、文庫オリジナル。
 ここには7編の短編が収録されているが、うち3編は書下ろしですから、この文庫が本邦初公開という、贅沢な造りとなっている。
 このうち、花房が得意とする京都を舞台にした作品は「おばけ」と「花灯路」の2編だけだから、花房の魅力が半減ではないかと心配される読者もいるだろうが、心配はない。その分、一つひとつの作品の官能度は高い。

 表題作の「指人形」には男女の情愛の場面はない。
 「指人形」と秘めやかに表現されているのは女性の自慰のことだ。「女同士は、セックスの話はできるけれど、自分でする話はなかなかしにくい」と、作品中に書かれているが、だからこそ官能度が増している。
 そもそも官能小説とは、おおっぴらに見れない世界だから、悩ましいのだ。
 もし、大根を料理することが法律で禁じられたとしたらどうだろう。それでも大根を食べたいという人が現れ、夜中にこっそりと大根を切るにちがいない。
 見れないものを見る、そこに官能があるような気がする。

 「奥さん」という短編もそうだ。本当の夫婦でありながら、「奥さん」と妻に声をかける存在を演技する。そこには普段見ることのないよその「奥さん」の痴態がある。
 この夫婦を異常といってしまえばそれまでだが、花房の筆はまるで谷崎潤一郎の世界のように映る。
 そういえば、谷崎の作品は耽美主義と称されたではないか。
 もちろん、花房の作品を谷崎潤一郎と同じというつもりはないが、どことなくその匂いのようなものを感じてしまう。

 「美味しい生活」も普通ではない。女性同士の性愛を描いているが、それは異常だろうか。見知らぬ男女は互いに愛するようになるのも、考えてみれば不思議な感じがする。
 どんな相手であれ、秘すれば官能になる。
 花房は女性でありながら、堂々とその秘するところを描き続けている。
 そんな花房観音のこれからにも期待したい。

 なお、この文庫の「解説」はAV男優の森林原人が書いている。
  
(2016/03/19 投稿)

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