プレゼント 書評こぼれ話

  先日高校の同級生数人と
  夜の食事会をしたのですが
  楽しかった。
  高校を卒業してから40年以上経って
  もうみんな還暦を迎えている。
  話そのものも特にどういうこともない
  つまりは他愛もない会話なのだが
  それがいい。
  何か競争することもなし
  妬むことも謗ることもない。
  まあどうということのない話なのだが
  とてもいい気分でした。
  それに近い気分が
  今日紹介する益田ミリさんの
  『言えないコトバ』にもあって
  益田ミリさんは私よりもうんと
  年下なのに
  どうしてこんなに気分が似ているのだろう。
  益田ミリさんが大阪出身ということも
  あるのだろうか。
  どうだろう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  チョッキってわかります?                   

 相変わらず(といってもこの本は2006年から2008年にかけて「小説すばる」に連載され、2009年に単行本化された、ちょっと以前のものなのだが)、益田ミリは面白い。
 この作品では自身がちょっと口にできない言葉の、理由とか言い訳とか懺悔とかそういう諸々を集めている。
 では、どんな言葉があるかというと、「おひや(水のこと)」「チャリ(自転車のこと)」「パンツ(下着ではない方の)」「おあいそ(会計のこと)」「サプライズ(びっくりぽん)」「デパート(もちろん百貨店)」・・・どうしてそれらが「言えない」のか、そのあたりの事情を説明する益田ミリ節はこの本でも快調。
 もちろん、それぞれ2ページ分のエッセイのあとにはイラスト付きだからいうことなし。

 読者それぞれ益田さんの魅力はあるのでしょうが、こんなこと書いては益田さんに失礼なことは承知の上で書くのですが、私にとってはほぼ同世代的発言が大好きなのです。
 彼女のためにすぐさま書いておきますが、益田さんは1969年生まれですから私とは10歳以上離れていて、さすがに同世代なはずはないのですが、どうかな、この同世代発言は。
 具体的に証明しましょう。「パンツ」の項で、こんな表現があります。
 「わたしが子供の頃、ベストはチョッキだったし、タートルネックセーターはトックリセーターだった」。
 たぶん若い読者はこの一節がなんのことを書いているのかわからないにちがいない。
 しかし、益田さんより上の世代は「わかる、わかる」にちがいないのだ。
 益田さんは昭和の世代を無性に喜ばせるテクニックをお持ちなのだ。
 だからといって、若い世代に受けないかというと、こういう人にならないように気をつけないといけないと要注意人物として、常に意識される存在でもある訳で。

 益田さん曰く、「流されてよいところでは、ざぶざぶと流される。小さな自己主張はしたくない。そこに、わたしの本質なんてないのだから」ということになるのだが、いえいえ、益田さんの本質は十分出ているように思うのですが。
  
(2016/03/18 投稿)

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