プレゼント 書評こぼれ話

  山田太一さんの本を読む、
  2日めの今日は
  『その時あの時の今』です。
  このエッセイ集では
  「自作再見」として
  山田太一さんのこれまでのドラマ作品を
  自身が振り返るエッセイが
  収録されています。
  これがなかなか読み応えあります。
  それにしても
  その作品の多さに圧倒されます。
  映画青年だった私は
  テレビドラマをほとんど見なかったし
  今でもテレビドラマをひっきりなしに
  見ているわけでもありません。
  最近でいえば
  日本映画専門チャンネルで放映されていた
  倉本聰さんの「北の国から」全24回を
  やっと全回見終わった。
  そんな程度。
  そんな私が山田太一さんの作品を
  見終わるなんてこと
  ちっとも考えられない。

  じゃあ、読もう。



sai.wingpen  山田太一を観る                   

 テレビドラマの脚本家といえば最近では三谷幸喜さんとか木皿泉さんとか、この文庫本の解説も書いている宮藤官九郎さんとか人気が高い書き手は多い。
 それでも、いまだに倉本聰さんと山田太一さんは別格の扱いである。
 偉大な山塊といっていい。
 ではどちらがいいかとなれば、それはもう好き嫌いの範囲になってしまう。
 私は倉本さんの抒情的な作風が嫌いではない。一方、山田さんの方は知的な叙事的な作風であるが、こちらもいい。観る側の年齢的なことや経験的なこともあるのか、最近は山田さんの方が好みかもしれない。

 そもそも山田太一さんの作品でいえば、山本周五郎賞を受賞した『異人たちとの夏』や『飛ぶ夢をしばらく見ない』といった小説群と出会って、テレビドラマは「ふぞろいの林檎たち」は少し、「岸辺のアルバム」は未見、「男たちの旅路」は初回を視聴しただけ、というお粗末さである。
 山田太一さんの活字表現の方が好みということになる。
 この本は「山田太一エッセイ・コレクション」と冠がついているように、活字表現の一冊だ。けれど、副題に「私記テレビドラマ50年」とあるように、書かれている内容は山田さんがこれまでテレビドラマとして描いてきた「自作再見」で、やはりドラマをみていない読者は不公平になるかもしれない。
 私のように山田さんの活字表現が好きな読者はそれでも構わないのだが。

 連続テレビドラマは一時間ものであれば11回ほど続くことになる。そうすると2時間ほどの映画の何倍もの物語を描くことができる。だから、「テレビドラマの醍醐味があるとすれば、長いものだ」と、山田さんはテレビドラマと映画の違いについて書いている。(「日常をシナリオ化するということ」)
 最近のテレビ事情が山田さんが第一線で活躍していた頃と同じかといえば決してそうではないのだが、それでも描けるものは映画とは大きく違うことには変わりはない。
 「自作再見」で書かれている多くのテレビドラマのタイトルだけ見ていても、山田さんがこの世界で成し遂げてきた業績の凄さに恐れ入る。
 やはり大きな山塊であることは間違いない。
  
(2016/03/16 投稿)

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